講義に関するアンケートについて (応用数理 B: 2008 年度)


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はじめに

ここ数年新潟大学工学部では、学期末の最後の講義の時間に 講義に関するアンケートを行なっていて授業改善に役立てているようですが、 それに習って、全体の半分位の講義が終った段階で 「講義に対する不満、意見、質問等」を自由に書いてもらいました。

ただし、授業改善のためのものとしたかったので、 学籍番号と氏名を併記してもらい (出席と数えることはしません)、 「無責任な意見は書かないこと」と注意をした上で 書いてもらいました。 備忘録も兼ねてそれを以下にまとめておきます。
(11/24 2008)

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概要

回答は小さい紙を講義の最初に配って、 それに書いてもらって講義の最後に提出してもらいました。 回答総数は 42 枚、 その内訳は、

となりました。 のべで取りだしてみると、 となります。 この学科のこの科目に対する年毎の変化を見ると、以下のようになります。

年度 20042005200620072008
なし or 肯定意見 (と質問) 45.9%59.6%64.0%52.5%54.8%
否定意見 (と質問) 18.0%21.1%22.0%27.5%16.7%
否定意見かつ肯定意見 29.5%10.5%12.0%15.0%11.9%

今年は否定的な意見を持つ学生は全体の 3 割程度で、 例年よりも少し少ないようです。 逆に肯定的な意見を持つ学生は、「特になし」も含めて のべで数えれば全体の 66.7% になります。

否定的な意見や肯定的な意見を見ると、例年のことですが

を上げているものが多いようです。 これは、私の講義が、それなりに大学の講義形式の形を取りつつ、 過去のアンケート結果等を取り入れた形にしてきたからだと思いますが、 私は現在の講義の形態は、大学の講義として必ずしも最善ではなく、 以前行なっていた形態の方が大学の講義としてはふさわしいと思っています。 以前の講義とは以下のような形式です。

元々大学ではこのような講義が一般的であり (それなりの理由もあります)、 むしろ学生はその形式に慣れるべきである、と思います。 しかし、アンケートを取ってみると毎回大多数の学生に同じことを指摘されるので、 ある程度の譲歩を行なってきたわけですが、 現在はこれ以上は譲れないという程度まで来ていると思います。

今回肯定的な意見を書いた人も、 私の現在の講義方法 (多少高校風の授業に近い) に甘えず、 高校までの受身の学習法から脱却し、 必要だと思われることを自分で考え、自分で探し、自分で勉強する、 講義はむしろその自分での勉強を補佐する場と考える、 という能動的な学習法を身につけてもらいたいと思っています。

特に、最近は否定的意見や質問として試験に関する話が多く含まれる、 という傾向が見られます。 これは、現在新潟大学で行われているキャップ制や JABEE 制度との関連もあるのかもしれませんが、 大学の講義、そしてもちろんこの講義は試験のためにあるのではありません。 皆さんが、今後専門科目で必要となる知識、 あるいは社会に出たときの武器となる知識を身につけるためにあるはずです。 試験のために勉強している人は、 試験が済んだら忘れてしまってもいいと考えているかもしれませんが、 それなら大学に来ている意味はないだろうと思います。
(11/24 2008)

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書かれていたこと

肯定的な意見、不満や希望、質問を、 意見の多かった順にあげます (カッコ内はのべ人数)。 不満や希望、質問に対してはそれに対する回答も上げていますが、 以前のものとほぼ同じものはその回答をそのままつけています。

なお、小数意見としての不満を上げた人は、 それが小数意見なのだということもよく理解すべきだと思います。


(11/24 2008)

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回答


教科書やプリントを使用して欲しい

これは、最初にも言いましたが、 私の講義に合う教科書がないのが教科書を使用しない理由です。 通常の教科書と比較すると、 私の講義の特徴は以下のような点にあると思います。

  1. 具体的な微分方程式の導出を時間をかけて行う
  2. 高階斉次線形は、特性方程式を用いて解く
  3. 高階非斉次線形は、定数変化法と代入法を紹介する
  4. 連立線形は、高階線形に帰着させて考える

1. は、最初にも述べたように、これが現在かなり重要だと思うからで、 2.,3.,4. は学びやすさを考慮しての配慮です。 しかし、これに従うような本は残念ながらなく、 例えば 3. はラプラス変換や演算子法を詳しく紹介しているものが多く、 また 1. にある程度のウェイトを置いた本もあまりありません。

よって、なんらかの本を教科書として採用しても、 多くの部分を教科書とは離れて講義をしないといけないことになりますが、 それはそれで学生からだいぶ文句が来ますので、 今の形でやらざるを得ません。

また、プリントについては、 講義ノートのようなものを配ることは考えていませんが、 今後証明の込みいったところや、 一通りの理論などの話については (例年通り) プリントを配布する予定です。
(11/24 2008)

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初期値問題、境界値問題について詳しく説明して欲しい

残念ながら何を知りたいのかがわかりません。 もし必要なら、それを明示してください。

あれでは足りなかったということでしょうか。 けど、あれより詳しく話しをしようとすると、とんでもないことになります。 多分そういう話ではないんですよね。
(11/24 2008)

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指数が見えにくいので大き目に書いて欲しい

個人的にはそれなりの大きさで書いているつもりですが、 大きくするとそれが指数なのかそうでないのかの区別がつきにくくなるので、 あまり大きくは書きたくないところです。 よって、

をしてみてください。
(11/24 2008)

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隣の人と相談する程度の私語は認めて欲しい

それでさえ、その隣の人の邪魔をしていることになることを意識しているでしょうか。 友達だからいい、と思っていても、 実はその人は迷惑をしているけど友達だから断われない、という可能性もあります。

それに周りの人には、 それが授業に関係あることかそうでないかが問題なのではなくて、 私語そのものが迷惑なのです。

どうしてもしたければ筆談でする (それでも相手には迷惑) か、 講義室の外でやってください。
(11/26 2008)

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作成日: 11/26 2008
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)