講義に関するアンケートについて (応用数理 B: 2006 年度)


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はじめに

ここ数年新潟大学工学部では、学期末の最後の講義の時間に 講義に関するアンケートを行なっていて授業改善に役立てているようですが、 それに習って、全体の半分位の講義が終った段階で 「講義に対する不満、意見、質問等」を自由に書いてもらいました。

ただし、授業改善のためのものとしたかったので、 学籍番号と氏名を併記してもらい (出席と数えることはしません)、 「無責任な意見は書かないこと」と注意をした上で 書いてもらいました。 備忘録も兼ねてそれを以下にまとめておきます。
(11/21 2006)

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概要

回答は小さい紙を講義の最初に配って、 それに書いてもらって講義の最後に提出してもらいました。 回答総数は 50 枚、 その内訳は、

となりました。 のべで取りだしてみると、 となります。 この学科のこの科目に対する年毎の変化を見ると、以下のようになります。

年度2004 2005 2006
なし or 肯定意見のみ 45.9%59.6%64.0%
否定意見 or 否定意見と質問 18.0%21.1%22.0%
否定意見かつ肯定意見 29.5%10.5%12.0%

今年は否定的な意見を持つ学生は全体の 3 割程度で、 わずかに否定的意見を持つ学生が増えているようですが (1,2 名程度)、 逆にそれと同じ位肯定的な意見を持つ学生も増えていて、 特になし、も含めてのべで考えれば全体の 3/4 位になります。 多分、昨年とそう違いのない数字だと思います。

否定的な意見や肯定的な意見を見ると、例年のことですが

を上げているものが多いようです。 これは、私が大学の講義形式の形を取りつつ、 過去のアンケート結果等を取り入れたものにしてきたからだと思いますが、 私は現在の講義の形態は、大学の講義として必ずしも最善ではなく、 以前行なっていた形態の方が大学の講義としてはふさわしいと思っています。 以前の講義とは以下のような形式です。

元々大学ではこのような講義が一般的であり (それなりの理由もあります)、 むしろ学生はその形式に慣れるべきである、と思います。 しかし、アンケートを取ってみると毎回大多数の学生に同じことを指摘されるので、 ある程度の譲歩を行なってきたわけですが、 現在はこれ以上は譲れないという程度まで来ていると思います。

今回肯定的な意見を書いた人も、 私の現在の講義方法 (多少高校風の授業に近い) に甘えず、 高校までの受身の学習法から脱却し、 必要だと思われることを自分で考え、自分で探し、自分で勉強する、 講義はむしろその自分での勉強を補佐する場と考える、 という能動的な学習法を身につけてもらいたいと思っています。
(11/21 2006)

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書かれていたこと

肯定的な意見、不満や希望、質問を、 意見の多かった順にあげます (カッコ内はのべ人数)。 不満や希望、質問に対してはそれに対する回答も上げていますが、 以前のものとほぼ同じものはその回答をそのままつけています。

なお、小数意見としての不満を上げた人は、 それが小数意見なのだということもよく理解すべきだと思います。


(11/21 2006)

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回答


もっと演習問題や宿題を出して欲しい

これについては、過去の回答 を参照してください。

なお、補足しますと、大学の講義は入試問題などのような目的のための 勉強ではなく、皆さんが社会にでたときに現場で利用するための専門知識や 道具として使うべき学問です。 よって、入試のように問題を数多くこなすことで問題のパターンを覚えて、 そのパターンにあてはまった問題を解く、ということをしてもあまり意味はなく、 現場で色々でてくるパターンに当てはまらない問題に対応する ことが要求されます。

そのためには、パターン化された問題を解くことよりも、 むしろその背景にある理論を理解することの方が重要です。 演習問題は、問題のパターンを覚えるためのものではなく、 理論の理解の助けとするものですから、 多くの問題は必要ありませんし、むしろ多すぎる問題は有害だとも言えます。
(11/21 2006)

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ex は exp(x) と書いた方が見やすい

なぜ「見やすい」のかといえば、それは多分普段そちらをよく使うからでしょう。 使わない人はそちらの方が見にくいと思います。

確かに、今この学科の専門科目では多くの先生方が exp(x) という書き方を 使っているのかもしれませんが、それだけに慣れることがいいことだとは思いません。 皆さんが社会に出た場合「ある分野でのみ使われていた記号でないと抵抗がある」 というのは多分不利で、むしろ「状況に応じてどう書かれても対応できる」 ということの方が有利でしょう。

色んな分野の専門書を見てもらえばわかると思いますが、 ex を exp(x) と書くことは必ずしも世間の主流だとは言えません (少なくとも数学の本ではあまり使用しません)。 ということは ex という書き方にも慣れる、 あるいはそういう使い方をする状況に慣れる、 という方がいいのではないかと思います。

よって、これについては (むしろ皆さんのためを思って) 変える気はありませんが、 皆さんがノートにどのように書くかはもちろん自由ですから、 好きなように書いてください。
(11/21 2006)

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図を書きながら説明されるとわかりにくい

それは多分あなたは私が書いている図を写している最中だからですね。 しかし、

という理由で、これは変えずにやりたいと思います。
(11/21 2006)

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黒板の端や下に書かないで欲しい

下は気をつけるようにしますが、端は多少しょうがないと思います。 もし見にくいならば、見やすい位置に移動したらいかがでしょうか。
(11/21 2006)

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作成日: 02/13 2007
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)