講義に関するアンケートについて (応用数理 B: 2005 年度後期)


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はじめに

ここ数年新潟大学工学部では、学期末の最後の講義の時間に 講義に関するアンケートを行なっていて授業改善に役立てているようですが、 それに習って、全体の半分位の講義が終った段階で 「講義に対する不満、意見、質問等」を自由に書いてもらいました。

ただし、授業改善のためのものとしたかったので、 学籍番号と氏名を併記してもらい (出席と数えることはしません)、 「無責任な意見は書かないこと」と注意をした上で 書いてもらいました。 備忘録も兼ねてそれを以下にまとめておきます。
(11/29 2005)

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概要

回答は小さい紙を講義の最初に配って、 それに書いてもらって講義の最後に提出してもらいました。 回答総数は 57 枚、 その内訳は、

となりました。 のべで取りだしてみると、 となります。

年毎の変化を見ると、 今年は否定的な意見を持つ学生は全体の 3 割弱でしたが、 この数字は昨年、一昨年よりも減っています (昨年、一昨年はほぼ半数)。 私の講義自体はここ 2,3 年はそう変化していませんが、 今まで難しいと言われていた 1.2 節に、化学系向けの宿題を 2 つ程追加しました。 よって、この変化は、

  1. それによる効果
  2. 学生の気質 (雰囲気) が年毎にかなり違う
などが考えられます。 確かに、前者を要因とするような肯定的な意見も見られました。

否定的な意見や肯定的な意見を見ると、

を上げているものが多いようです。 これは、私が大学の講義形式の形を取りつつ、 過去のアンケート結果等を取り入れたものにしてきたからだと思いますが、 実は私は現在の講義の形態は、大学の講義として必ずしも最善ではなく、 以前行なっていた形態の方が大学の講義としてはふさわしいと思っています。 以前の講義とは以下のような形式です。

元々大学ではこのような講義が一般的であり (それなりの理由もあります)、 むしろ学生はその形式に慣れるべきである、と思います。 しかし、アンケートを取ってみると毎回大多数の学生に同じことを指摘されるので、 ある程度の譲歩を行なってきたわけですが、 現在はこれ以上は譲れないという程度まで来ていると思います。

今回肯定的な意見を書いた人も、 私の現在の講義方法 (多少高校風の授業に近い) に甘えず、 高校までの受身の学習法から脱却し、 必要だと思われることを自分で考え、自分で探し、自分で勉強する、 講義はむしろその自分での勉強を補佐する場と考える、 という能動的な学習法を身につけてもらいたいと思っています。

なお、最も気になったのは、質問にテストに関するものが多かったことです。 我々はテストのために講義しているのではありませんし、 皆さんもテストをパスするために勉強しているのではないでしょう。 大学を出たときに要求される知識として、あるいは活用する道具として 身につけるために勉強しているのだろうと思います。 テストのための勉強、などという高校までの気分は 早く捨てた方がいいだろうと思います。
(11/29 2005)

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書かれていたこと

肯定的な意見、不満や希望、質問を、 意見の多かった順にあげます (カッコ内はのべ人数)。 不満や希望、質問に対してはそれに対する回答も上げていますが、 以前のものとほぼ同じものはその回答をそのままつけています。

なお、小数意見としての不満を上げた人は、 それが小数意見なのだということもよく理解すべきだと思います。


(11/29 2005)

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回答


黒板の端を使わないで

これは 1 人しかありませんでしたし、 端を使わないと頻繁に黒板を消さなければいけなくなりますので、 見やすい位置に移動したらいかがでしょうか。
(11/29 2005)

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講義は少し速くてもいいから問題の解答に時間をかけて

これ以上問題演習に時間をかけるのは、 講義のバランスや講義の質からしても、やや不適切だと思います。 もし講義のバランスに不満があるなら、 自分のペースで自分で勉強してみてはいかがでしょう。
(11/29 2005)

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試験前にそれ用のプリントを配布して欲しい

甘えすぎだと思います。 それに試験対策は私がやるものではなく、あなたがやるものなのではないですか。 また、講義は試験のためにあるものではありません。 試験のためだけの勉強をしたいなら、大学に来る必要はないと思います。
(11/29 2005)

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今後も特異解の解説を行なって欲しい

これは、問題の解答での話だと思いますが、 実は、今後は特異解はほとんど出てきません。 それに、宿題の解説では「特異解」というよりも、 「反省すべきところのチェック」といった説明をしたはずですし、 「一般解を求めよ」という問題では そもそも「特異解」を求める必要はありません。 「特異解」という言葉の意味をもう一度よく見直してください。
(11/29 2005)

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試験を風邪で休んだ場合はどうなるのか

今の段階で休むことを公言しているのでしょうか。 例外的な仮定の話にはあまり答える必要性を感じませんが、 とりあえず休まないようにしてください。 もし休んだら、学務係を通じて私に連絡してください、としか言えません。

ただし、よほどの事情がない限り、 個人的には原則不合格にすべきだろうと思っています。 自動車学校だって、車の免許だってそうじゃないですか ?
(11/29 2005)

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宿題が解ければ一通りは大丈夫か

「一通り」とは何を指すのでしょうか。 テストのことならば、私はここでは答えません。 テストに関してはテストの近くになったらお話しします。

微分方程式を理解したことになるか、ということなら、 演習問題を解くことも大事ですが、 もちろん理論自体を理解することの方が大事、だと言っておきます。
(11/29 2005)

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ex を exp(x), log x を ln x と書いてよいか

これは構いません。自分が書くことを誰に遠慮するのですか。

なお、テストの答案でも、これは私も理解できますからそう書いて構いません。
(11/29 2005)

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C1, C2 と番号が違ってもいいのか

質問の意味が理解できませんが、 C1, C2 の書き分けは、 別な定数を表すために別な記号を使っているだけだと思います。
(11/29 2005)

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線形とは

2.3 節でお話しします。
(11/29 2005)

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作成日: 11/29 2005
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)