講義に関するアンケートについて (応用数理 B: 2005 年度前期)


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はじめに

ここ数年新潟大学工学部では、学期末の最後の講義の時間に 講義に関するアンケートを行なっていて授業改善に役立てているようですが、 それに習って、全体の半分位の講義が終った段階で 「講義に対する不満、意見、質問等」を自由に書いてもらいました。

ただし、授業改善のためのものとしたかったので、 学籍番号と氏名を併記してもらい (出席と数えることはしません)、 「無責任な意見は書かないこと」と注意をした上で 書いてもらいました。 備忘録も兼ねてそれを以下にまとめておきます。
(06/05 2005)

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概要

回答は小さい紙を講義の最初に配って、 それに書いてもらって講義の最後に提出してもらいました。 回答総数は 63 枚、 その内訳は、

となりました。

半数を越える 38 名 (= 60.3%) が現状の講義に対する不満をあげていました。 私はこの学科 (電気系三学科) に応用数理 B の講義するのは今年が初めてですが、 不満の割合は、ほぼ同様の講義を毎年行なっている他学科に比べても多いようです。

私の講義自体はここ 2,3 年はそう変化していませんし、 不満として上げられていた意見も例年上げられる意見ばかりでした。 よって、不満が多い原因として考えられるのは、

  1. 学生の気質が年々変化している
  2. この学科では、私のような講義があまりなく慣れていない
  3. この学科では、学生が不満を言う習慣が割とついている
といったことなどが考えられます。 ただし、不満の多くは昨年以前に上げられたものと同様のものであったので、 これらは大学の講義形式にまだ馴染んでいないからではないことが 理由であると思われますが、 または上に書いたように、電気系三学科の他の教員は あまりこのような講義を取っていないのかもしれませんね。

一方で、わかりやすい、宿題や例題の解説が良いなどの意見も多数見られ、 不満を上げた人でも、講義は分かりやすいが、 といった形の肯定的な意見を書いた人もいましたから、 それらを合計すると肯定的な意見を上げたのは、特になし、も含めて 40 名 (63.5%) となりました。 それは、 履修登録者数 (全 99 名) と比較すると、 割と真面目な人だけが出席している、という可能性もありますが、 私の最近の講義形式が過去のアンケート結果等を取り入れたものに なっているからだとも思います。

ただし、以前は私は現在とは少し違う講義方法を取っていて、 現在の講義の形態は、大学の講義として必ずしも最善ではなく、 現在でも以前の形態の方が大学の講義としてはふさわしいと思っています。 その、以前の講義とは以下のような形式でした。

以前は、大学ではこのような講義が一般的であり (それなりの理由もあります)、 むしろ学生はその形式に慣れるべきである、という立場を取っていました。

しかし、アンケートを取ってみると毎回大多数の学生に同じことを指摘され、 最初はそれは単に 高校までの受身の勉強方法が抜けていないんだろうと考えていたのですが、 あまりにその意見が多いので、

と考え、ある程度の譲歩を行なっているわけです。 そして現在はかなり、これ以上は譲れないという程度まで来ていると思います。

しかし、学生には私の現在の講義方法に甘えず 高校までのような受身の学習法から脱却し、 必要だと思われることを自分で考え、自分で探し、自分で勉強する、 講義はむしろその自分での勉強を補佐する場と考える、 という能動的な学習法を身につけてもらいたいと思っています。
(06/05 2005)

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書かれていたこと

肯定的な意見、不満や希望、質問を、 意見の多かった順にあげます (カッコ内はのべ人数)。 不満や希望、質問に対してはそれに対する回答も上げていますが、 昨年以前のものとほぼ同じものはその回答をそのままつけています。

なお、小数意見としての不満を上げた人は、 それが小数意見なのだということもよく理解すべきだと思います。


(06/05 2005)

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回答


参考書を使っているなら教えて欲しい

特にどれかの教科書に沿って講義しているわけではありません。 参考書はシラバスのページに上げたもの、 または講義の最初の時間に話したもので十分だと思います。
(06/05 2005)

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もっと字を大きく/もっと赤や黄のチョークを使って

字は大きくて見やすい、という意見も多かったでした。 それに、これ以上大きくするともっと頻繁に消さなければいけなくなりますので、 この位が限度かと思います。 むしろ見やすい位置に移動したらいかがでしょうか。 今は座る場所はかなり余裕があるようです。

色の問題ですが、私は多少は黄色や赤のチョークを確かに使いますが、 それはあまり本質的なものではないと思っています。 高校の参考書のように色づけされているとなんとなく分かりやすく見えたり、 重要な個所が良く分かるように見えるのかもしれませんが、 大学の教科書は大半がそうはなっていませんよね。 どこが大事か、ちゃんと内容を読んで自分で判断できるようにしましょう。 いつまでも高校の参考書のようなものに頼らないと勉強できないような 受身な姿勢はあまり評価できません。 色はむしろあなたがノートの上でつけていけば良いのではないでしょうか。 過去の回答 も参照してください。
(06/05 2005)

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教科書なしだと復習やテスト勉強がしにくい

ならば、前に言ったように、参考書として上げた本を 1 冊買ったらどうでしょうか。
(06/05 2005)

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質問がしにくい雰囲気

教室の雰囲気を和やかにして、私語を許容してしまうよりも、 教室の雰囲気に多少緊張を持たせて、私語を許容しない方を私は選びます。 大学はアカデミズムが優先します。 それに、質問はしても構いませんから、 そのような雰囲気でも必要だと思ったら質問すべきでしょう。 それくらい大人にならないといけないと思います。

どうしても質問しにくければ、講義前、講義後、 あるいはメールで質問しても結構ですが、 なるべく講義中が良いでしょう。 あなたが疑問に思うということは、多分他の誰かもそう思うでしょうから、 その場で質問を共有できるのが最良だと思います。
(06/05 2005)

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遅れて入って来る人が気になる

そうですね、私も少しそう思います。 1 限と言うこともあるのでしょうが、 なぜか遅れて入って来て堂々と教壇に上がって来る学生が何人かいますが、 私は勉強したいと思っている人のための講義を邪魔する人間を許せないたちですから、 多少気になります。何で後ろから入って来ないんでしょうかね。 遅れて来たことを見せびらかしたいんでしょうか、 単に目立ちたがりなんでしょうか。

そういうこともあって 5 分くらい遅れて来ているのですが あまり効果はないようですね。 10 分位したら扉の鍵を閉めたら、という意見も書いてありましたが、 色々事情はあるでしょうからそこまではしませんし、 いちいち注意もしませんから、まあなるべく無視するようにしてください。
(06/05 2005)

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作成日: 06/13 2005
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)