5.4 2 本目の不等式の評価

まずは、(48) の $\tau\in\bigcup_{j\geq k-1} I_j$ の場合、 すなわち
  $\displaystyle
\max\{k',k''\}\geq k-1$ (52)
の場合を考える。このときに、まず
  $\displaystyle
\Delta V_k(\tau)\leq M_1\vert\sigma'_i\sigma''_j\vert,
\hspace{...
...
\leq -\vert\sigma'_i\sigma''_j\vert+M_1\vert\sigma'_i\sigma''_j\vert V(\tau-)$ (53)
が成り立つことを示す。

なお、$k',k''$ の両方が $k$ 以上であれば、 衝突に関係する front の世代はすべて $k$ 以上となり $\Delta V_k(\tau)=\Delta V(\tau)$ となるので、 (53) の 1 本目は (6) より 得られる。よって (53) の 1 本目は、

  $\displaystyle
\min\{k',k''\}\leq k-1\leq\max\{k',k''\}$ (54)
の場合のみを考えればよい。

同様に $k',k''$ の両方が $k-1$ 以上であれば $\Delta Q_{k-1}(\tau)=\Delta Q(\tau)$ より (53) の 2 本目は (7) より 得られる。よって (52) より、 こちらは

  $\displaystyle
\min\{k',k''\}< k-1\leq \max\{k',k''\}$ (55)
の場合のみを考えればよいことになる。



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竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-03