7 到達時間と負方向の解
次は、落ちて上がってくるまでの到達時間と、
負方向の解を含めた解の決定について考える。
まず、(14) に
従って落ちて上がってくるまでの到達時間
を求める。
この解では、
の半分までと、
残りの半分の
の部分は対称なので、
(7) より
 |
(29) |
となる。ここで、
では
、
すなわち
なので、これを用いて置換すると、
で、
なので、
となる (
)。ここで、(9) より
なので、
となり、よって
,
より (29) は
 |
(30) |
となる。
(30) の式は、当然
が与えられなければ計算できないが、
均質な地球の場合は計算可能である。その場合は、
より、
となる。ここで、
であり、また (21),
より
であるから、
を用いれば
となる。よって、均質な地球の場合の到達時間は
となる。
の場合は、
より
と
なるが、これは地球の直径を玉が行ったりきたりする単振動の 1/2 周期を
意味する。
地球が均質なら、重力の大きさは (2) のように
中心からの距離に比例するので、確かに単振動になる。
さて、微分方程式 (8) に戻ると、
これは
も解として持つことがわかる。
よって、(14) 以外にも、
(14) よりも少し浅いところまで降りて、
一旦一定半径の円運動をして、
そこからまた
で地表まで戻るような滑らかな (8) の解
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(31) |
があることがわかる (図 6)。
図 6:
途中の円運動を挟む解
|
図 7:
反対を回る解の
|
ここで、
は
となるものであるが、
,
は (14) のものとは異なる。
紛らわしいので、(14) の
,
を、
以後
,
と書くことにする (
は命題 1 のもの):
これに対し、
の
と
(
) に対して
と
したのが上の
であり、(31) の
, および
に現れる
もこの
,
である。
さらに、前に説明した負方向に回る解もこの形で実現できる (図 7):
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(32) |
この場合も
,
であるが、
こちらは
には
のような下の制限はなく、
となる。
ちなみに
の極限は、A から中心への半径と、
中心から B への半径をつないだ (滑らかではない) トンネルになる。
この (31) による解曲線での到達時間を
、
この (32) による解曲線での到達時間を
と
すると、実際に
かつ
となることを 9 節で証明する。
これにより、(14) が最速降下曲線であることが
「それなりに」保証されることになるが、
それが最速であることを [1] の 9 節のように完全に
証明するのは難しい。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年2月24日