6 グラフ
次は、解 (14) によるトンネルのグラフを紹介する。
もちろん、一般の ではグラフは書けないので、
均質な地球の場合のグラフを示す。これは、
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(19) |
で、 は (14), (15) より
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(20) |
であり、 は、
地球が均質な場合は (10) より
であった。
ここで、 は (11), (15) より、
となるので、
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(21) |
である。これで、 () と ですべて
決定できることになる。
ただし、(20) に の逆関数が入っているため
グラフ化はしにくいようにみえるかもしれないが、
それはパラメータを から に変えれば済む。
例えば、
では とすると、
(20) より
なので、
(19) を
とすればよい (
)。
さらに、 とすると
で、
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(22) |
となり、 が によらない式になる (それを
と書く)。
これによりグラフは
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(23) |
となり、 の場合のグラフ全体を
そのまま 倍したものになっていることがわかる。
よってグラフとしては のもののみ考えればよいことになる。
これで、例えば gnuplot1 の媒介変数モードを使えば、このグラフが書けるようになるのだが、
複数の に対するグラフを一緒に書く場合には、
パラメータの範囲が一定でないのは問題があるし、
関数に特異性が含まれている ( で (22) の
分母が 0 になる) とそこがうまくつながらない場合があるので、
それらを修正する。
まずパラメータの範囲を固定するために、
を、
より、
として、新たなパラメータ を
とれば の範囲は
に
固定される。
そして (22), (23) に
を代入すれば の式が得られる。
次は特異性の解消であるが、まず、
とすると、
となり、この最後の式の分母は
より 0 にはならない。
よって、 を特異性のない式
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(24) |
に書き直すことができる。同様に、
とすると、
となり、こちらも特異性のない
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(25) |
と書き直せる。
この (24), (25) を、
さらに , で書き直す。
より
、
および
より、
となる。よって、 を , で書き表すと、
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(26) |
となる (
)。
グラフのもう半分の
の方は、
(20) より
とすればよいので、結局
の方は、
(26) の
を使って
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(27) |
と表され、
の方は、
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(28) |
と表されることになる。 よりこれらには特異性はなく、
パラメータの範囲も固定されるので、グラフ化は難しくない。
実際、
、すなわち
に対して gnuplot で
書いたグラフが図 5 である。
なお、最後の に対して注意をしておく。
この場合、 だから は 0 になり、
よって (27) では , 、
(28) では , となる。
それが、円の直径になっているわけである。
実際に、一般の場合でも
(
) の
場合に がこのような直径を表すものに収束することを示しておく。
である を固定し、 を
とする。このとき、(9) の被積分関数の分母は に
関して単調なので、
でおさえられ、よって
のとき
より
となることがわかる。すなわち、図 3 の のグラフは、
を小さくすると横軸と鉛直線 に張り付いてきて、その極限は
では 0、 では (命題 1) に
近づいていくことになる。
その結果、解は 0 と 方向以外の に対しては で
ある直径に近づいていくことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年2月24日