3 変分法

次は (7) を最小にする関数 $f(\theta )$ を変分法を用いて求める。

(7) の被積分関数を $F(f,f')$ とすれば、 そのオイラー方程式 ([1] 参照) は

\begin{displaymath}
\frac{d}{d\theta}F_{f'} = F_f
\end{displaymath}

となる。$F$$F(f,f')$ の形、すなわち陽には $\theta$ によらない形なので、
\begin{eqnarray*}\frac{d}{d\theta}F
&=&
F_ff'+F_{f'}f''
 = f'\frac{d}{d\theta}F_{f'} + F_{f'}f''
 =  \frac{d}{d\theta}(f'F_{f'})\end{eqnarray*}


となり、$F-f'F_{f'}$ は定数となる。

今の場合は、

\begin{eqnarray*}F-f'F_{f'}
&=&
\frac{\sqrt{f^2+(f')^2}}{\sqrt{G_1(f)}}
-f'\f...
...t{f^2+(f')^2}}
 =\
\frac{f^2}{\sqrt{G_1(f)}\sqrt{f^2+(f')^2}}\end{eqnarray*}


となるので、よって $k_1>0$ を定数として
\begin{displaymath}
G_1(f)(f^2+(f')^2)=k_1^2f^4
\end{displaymath}

となる。変形すると、
\begin{displaymath}
(f')^2
=\frac{k_1^2f^4}{G_1(f)}-f^2
=\frac{f^2(k_1^2f^2-G_1(f))}{G_1(f)}
\end{displaymath}

なので、1 階の微分方程式
\begin{displaymath}
f'=\pm f\sqrt{\frac{k_1^2f^2-G_1(f)}{G_1(f)}}\end{displaymath} (8)

が得られる。 良く知られているように、この微分方程式の解は、変数分離法により、 関数
\begin{displaymath}
H(y) = \int_y^R \sqrt{\frac{G_1(f)}{k_1^2f^2-G_1(f)}} \frac{df}{f}
\hspace{1zw}(0< y\leq R)\end{displaymath} (9)

の逆関数のようなものとして得られる。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年2月24日