4.4 CASE 2
次に、p139 の CASE 2 の (7.64) を考える。
が
で他の front
と衝突するとし、
このとき、

(
32)
を示す。
まず、
の前後で
の符号は変わらずに
正のままなので、
以外の項は
には現れず、
よって (32) の 1 つ目は正しい。
(32) の 2 つ目は、
(7), (11), (23) より、
となって成り立つことがわかる。
(32) の 3 つ目は、[A-1] の場合は Lemma 7.2 (i) より、
となって成り立つ。
[A-2] の場合は
より
で、
よって Lemma 7.2 (ii) より、
となる。
[S-1], [S-3] の場合は
で、
[S-2] の場合は
で、
よって
となるから、
よってすべての場合で (32) の 3 つ目が成り立つことがわかる。
これで、(32) がすべて成り立つことになる。
今、
に対して

(
33)
と定義すると、衝突点以外では
は定数で、
衝突点
で CASE 1 なら (26) より、

(
34)
となるし、CASE 2 なら (32)、
および
より、

(
35)
となるので、
は非増加であることがわかり、よって (21), (23), (24) より、

(
36)
となり、よって、

(
37)
が得られる。
この (37) は [1] の (7.61) (p138) に
対応するが、これは、定義 7.1 (p125) の 3. (7.8) の、膨張 front の
サイズ
が
であることを保証するものになる。
を小さく変更すれば、
もちろんそれに伴い近似解の構造もだいぶ変わってしまうが、
それとは無関係に (37) は常に成立するので、
よって、
に対して、
を

(
38)
となるようにとれば確かに (7.8) が満たされる。
それは、定理 7.2 (p127) の一部でもあるが、
それについてはまた後 (5.9 節) で説明する。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-03