まず、(a) は、対称軸を 軸と見れば、円弧の一部である
(
) の 軸回りの
回転面なので、重心の 座標 は (11) より
次は (b) であるが、これも同じ の下の図形の回転体なので、
(14) よりその重心の 座標 は、
最後に (c) であるが、この計算は 2 通り考えられ、
一つは、一般的な公式 (9) に戻って、
その 3 重積分を 3 次元極座標変換して計算する方法である。
対称軸を 軸と見れば、(c) の積分領域は、
もう一つは、(c) を (b) と円錐に分離して考える方法であり、
それぞれの重心を求めた上で、
例えば、半球 () の場合は (20), (22), (24) より , となる。 球面よりも内部がつまっている球の方が赤道に近い部分が重い分、 重心が中心に近くなる。 また (20) より、 は常に 座標の両端 , の真ん中になるが、 これは 7 節で述べる写像の正積性とも関係する。
(a),(b),(c) との比較の意味も込めて、
次はそれらの平面版である図形の重心を計算する。
すなわち、 は のグラフと のグラフをつなげた
図形の重心の 座標、
は のグラフから 軸までの領域の重心の 座標、
は のグラフから 軸までの領域の重心の 座標
とする。こちらも密度はすべて一定とする。このとき、
は、(15) より
は、(17) より、
最後に は、
(17) より、
例えば半円 () の場合、 , となる。 , , はいずれも分母に 自身が 残るため , , とはやや異なる。 平面と立体でこのような違いが現れるのは少し興味深い。
竹野茂治@新潟工科大学