9 いくつかの証明
この節では、いくつかの命題の証明を紹介する。
まず、命題 1 を証明する。
それには、 は で稠密なので、
に対し、
ある自然数 とある正数 があり、
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(22) |
がすべての
に対して成り立つことを示せばよい。
まず、4 節の 1 の分割 に対し、
となる自然数 を取る。
であるから、
この に対し、ある自然数 と正数 があり、
任意の
に対して
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(23) |
とできる。なお、この は、必要ならば取り直して 2 以上
であるとしてよい。
さて、任意の
に対し、
命題 2 により
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(24) |
であり、
であるから、
(23) より
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(25) |
とできる。ここで、
とすると、 より
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(26) |
となることがわかる。ここで、 は
としたが、これは
で非負の
有界な関数である。
(24), (25), (26) を合わせると結局
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(27) |
となる。ここで、
とした。
(27) の に関する和の部分を、
に対するものと、
に関するものに分けると、 のときは より
なので、 より、
でおさえられる。 は有界なので、
これで (22) が成り立つこと () が示された。
次は、命題 8 を示す。それには、次のベッセルの不等式を用いる。
命題 12
が ならば、
すべての について次が成り立つ。
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(28) |
証明
不等式 (28) の左辺を とすると、
フーリエ級数の部分和 ((14)) は、
となり (計算は略)、よって
となるので、
が言える。
命題 8 の証明に戻る。
今、
が 級である場合は
なので、
これにベッセルの不等式を適用すると、
となるが、補題 7 よりこれは
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(29) |
を意味する。よって、
より、(29) によりこの右辺の和が
に対する収束する優級数を作るので、
結局 が一様収束することになる。
最後は命題 11。
とすると、 にベッセルの不等式を適用すれば、
(11) と同様にして
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(30) |
が得られ、左辺は
のときに
右辺でおさえられて有界なので、
が に対して言えることになる。 はいくらでも大きくとれるので、
これで命題 11 も成り立つことが示された。
竹野茂治@新潟工科大学
2015年6月1日