7.2 エントロピー条件
最後に、エントロピー条件 (2.3) を考える。
7.1 節と同様にして、
であるので、
, に対し、
ここで、[竹野] にあるように、不連続波に対する
の値は、
- 衝撃波に対しては
- 接触不連続に対しては
であるので、
が言えることになる。ここで、
である。
今、 を
と取れば、
7.1 節と同様にして、
であることが言えるから、よって後は
が 0 になるようにすればよい。
しかし、これに対しては、
と全く同じ議論を繰り返すことにより、
の部分列
と、 に関する 0 集合 が取れて、
に対し、
任意の
に対して
となることを言うことができる。
よって、その
と
に対する極限は、
弱解でかつエントロピー条件
|
(7.116) |
を満たすことが言える ()。
なお、この (7.19) は、初期値の項がついているので、
その分だけ (2.3) よりも強い条件になっている
が、もちろん (2.3) も成立する。
定理 7.2
定理 5.1 の仮定の下で構成した
Glimm 差分近似解 に対し、
0 に収束する列
と
に関する 0 集合 が存在して、
に対する
の極限は、エントロピー条件 (7.19) を満たす弱解であり、
(6.9), (6.10),
(6.11) を満たす。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年1月18日