(1.1) の は 次元ベクトル
が に関して 1 次式なら (1.1) は 線形の方程式となるが、ここでは主に非線形の方程式を扱う。
(1.1) が 双曲型 であるとは、 行列
これに対し、 上で恒等的に
本稿では、初期値 に対する初期値問題:
(2.3)
( ) が (2.1) の 弱解 であるとは、 任意の に対し
(2.4)
弱解は一般に一意的ではないから、弱解は次の エントロピー条件 を 満たすことも要請される:
が凸なエントピー対 に対して、不等式
(2.5)
が、任意の非負な に対して 成り立つこと。ここで、 上のスカラー関数の組 が エントロピー対 であるとは、
(2.6)
もし が (1.1) の滑らかな解であれば、
(2.4) は 本の方程式なので、 これは のときは , に対する過剰決定系となり 一般にはエンロピー対があるかどうかは自明ではないが、 物理的に意味を持つ保存則方程式系は そのようなエントロピー対を持つことが多い。
竹野茂治@新潟工科大学