このオイラー座標系での理想気体の方程式系を
(4.1) の形に書いた場合、
この は特に
今、解の不連続性がなめらか () な曲線 に沿って 現れる ( 軸には平行には現れない) とし、 その不連続線以外では はなめらか () な関数で 方程式 (4.1) を満たすとする。 そして、その不連続性は第一種の不連続、 すなわちこの不連続線へ向かっての の有限な極限が存在するとする。 なお、通常 側の解を , 側の解を のように 書くことが多く、ここでも適宜そのような記法を用いる。
物理的な要請とは、もちろん、
「保存量は、その不連続線の前後でも保存されること」である。
簡単のために、 の近くを拡大して考えることで、 を直線 () と見なし、 も の左右で定数ベクトル ( ), ( ) であると考える。 そして、 を十分小さい定数として、 の時間変化での保存量の変化を考える。
, を、それぞれ の左右の点とし、
でそれぞれの位置にあった気体の 秒後の位置を
それぞれ , とし、
とすると、
このとき、 のときの
における保存量 と
のときの
における保存量 の
値を比べると、
から への直線
と
から への直線
は
流体とともに移動しているから、
これらの線を超えて流体の出入りはなく、よって保存量の出入り () もない。
よって、時間とともに境界に働く力によって増減される量 () による
変化があるだけなので、
この (4.4) は不連続性の前後での の値と、 不連続線の伝播速度 が満たすべき関係式で、 ランキン-ユゴニオ関係式 (Rankine-Hugoniot relation) または、ランキン-ユゴニオ条件 と呼ばれる。
上の議論は、 の付近で拡大して定数と見る、
ということをしなくても同じことを行うことは可能である。
で不連続線の の
左側に曲線 があるように を取り、
右側に曲線 があるように を取る。
そして、 をこの不連続線の左側の領域、 を右側の領域とする:
このとき上の考察と同様に、曲線 , を超えて
保存量の流入、流出はなく、その上での による影響があるだけなので、
の内部では を満たし、
かつ の への極限は存在するのでそれを と書けば、
Green の公式:
(4.5) により、
この式の右辺の最初の 3 項の和は 0 であるから、
の両端の値での積分のみが残り、
竹野茂治@新潟工科大学