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これは近似解とは直接は関係なく、エントロピー、すなわち方程式の形のみに
関わる話になる。
基本的に今のところエントロピーがたくさん存在する
の場合にしか
Tartar 方程式は解かれておらず、
の場合でも解かれている方程式系は
ほぼ以下の通りである。
- 弾性系:
の場合は DiPerna ([14]),
の場合は J.Shearer ([33]),
P.Lin ([34]) らの結果があるが、
の場合は
にかなり制約が必要で、例えば
の場合には未解決。
- 気体のバロトロピックモデル:
DiPerna ([15]), Ding,Chen,Luo ([26,27],[28]),
Lions,Perthame,Tadmor,Souganidis ([19,20]),
Chen,LeFloch ([31]),
Makino ([30]) 等の結果がある。
ただし圧力関数
には強い制約がつく。
または、この方程式の相対論形を扱ったものもある (Makino [44])。
- へそ型の退化性を持つ 2
2 の連立方程式:
Chen,Kan ([45])
- 一般の 2
2 の連立方程式に対する考察:
Serre [46].
2
2 の連立方程式の場合、エントロピー対の方程式
(9) は未知関数の数は同じになり、
初期値の任意性の分エントロピー対はたくさんあることになり、
それにより Tartar 方程式が解けるものもあるが、
まだ 2
2 の方程式でも Tartar 方程式が解かれていないものは多い。
また、
が 3 以上の場合はエントロピーがほとんどないので、
今のところ Tartar 方程式を解くには不十分で、
例えばエネルギー保存まで含めた完全な形の気体の方程式などには
補完測度法は適用されていない。
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Shigeharu TAKENO
2001年 12月 17日