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8.3 Tartar 方程式

これは近似解とは直接は関係なく、エントロピー、すなわち方程式の形のみに 関わる話になる。 基本的に今のところエントロピーがたくさん存在する $N\leq 2$ の場合にしか Tartar 方程式は解かれておらず、$N=2$ の場合でも解かれている方程式系は ほぼ以下の通りである。 2$\times$2 の連立方程式の場合、エントロピー対の方程式 (9) は未知関数の数は同じになり、 初期値の任意性の分エントロピー対はたくさんあることになり、 それにより Tartar 方程式が解けるものもあるが、 まだ 2$\times$2 の方程式でも Tartar 方程式が解かれていないものは多い。

また、$N$ が 3 以上の場合はエントロピーがほとんどないので、 今のところ Tartar 方程式を解くには不十分で、 例えばエネルギー保存まで含めた完全な形の気体の方程式などには 補完測度法は適用されていない。


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Shigeharu TAKENO
2001年 12月 17日