まず、定理 2 の (22) は の不等式の方だけ考えれば良いことを先に示す。
に対して、 速度の符号を反対にしたものを のように 書くことにする。このとき、容易に
となることがわかる。 そして、 のときは、 等より であり、 (17) より も いえるので、 よって、もし定理 2 の (22) の に 関する不等式が成り立てば、 それを に 適用するとは、, が領域 を 動く 4 変数関数と見ることができるが、 まずは一方を固定して 2 変数関数として考える。
以後、 とし、 , , を や 等に代入したものを、 それぞれ , , , , , のようにも書くこととする。
まず、
を固定し、 を に
関する 2 変数関数とみて、その停留点を求めてみる。
よって、 を動かした場合、 はその最大値を 領域 の内部で取ることはない。
同様に を固定して に関する停留点を考えると、
よって、 は に関する最大値を領域 の 内部では取らない。
これらにより、4 変数関数 の最大値は、 , の両方が領域 の境界上にあるときに 取ることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学