8 直接証明: 境界上
次は、 の、, が
の境界上を動くときの最大値を考える。
の境界は、
の 3 つの部分からなる (図 1) が、まず を
除外しておく。
の場合は、 より、
となるので、
となるが、これは の端 (
)、
および の端 (
) でも同じなので、
それらに含まれると考えてよい。
の場合も同様なので、
よって、
としてよいことになる。
今後、
であることを示す代わりに、
(
27)
とし、この が 0 以上になるかどうかを考えることにする。
まず を変形する。
より、
となるので、
(
28)
と書ける。
まず、 を 上に固定して、 を 上で
動かして考える。この場合、 より
なので、これを代入すれば は の 1 変数関数と見ることができる。
その に関する導関数を計算する。
となるが、
となるので、
より、
(
29)
となることがわかる。ここで、右辺の最初の部分は、CFL 条件より
となるので、 の符号は
の符号に等しい。
で、
より
となるから
は に関して非増加関数となる。
よって、(29) の右辺は正の値と非増加関数の積なので、
常に負か、常に正か、またはあるところまでは正であるところから負、
の 3 通りのうちのいずれかとなり、
はそれぞれ単調減少、単調増加、または増加して減少する関数となるから、
いずれの場合でもその最小値は両端の , の
いずれかで取ることになる。
の場合は、 に含まれ、
それはどこでも値は変わらなかったので、
結局その端の値は の端での値と同じになるから、
結局
での の最小値は、 での最小値
に等しい。
よって次は、 を固定して、 を動かして
その最小値を考える。この場合は、 より
なので、これを に代入すれば の 1 変数関数となり、
それを で微分する。この場合、
で、
となるので
となる。
の場合同様、CFL 条件により
であり、
も に関して非増加となるので、
の最小値は両端 , で取る。
よって、
での の最小値は の最小値に等しくなる。
以上により、
での最小値を考えればよいことになる。
最後に、 に固定したまま、 を動かして
考える。この場合は より
なので、
で、
となるので
となる。
なので、 の符号は の符号に等しく、
よりそれは
の符号に等しい。
となり、よって
となるので
は増加関数。
のときは、
となるが、 より なので
、
よって となるから、
となるので、
は で符号を変え、
ならば正、 ならば負となる。
の符号はその符号に等しいので、
よって は
で最小値を取る。
のときは なので、
となり、よって の最小値は
となる。以上で の最小値が 0 であることがわかり、
が示されたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-02-28