5 x の正の有理数乗の定積分
ここから数節は、2 節で考えた
の自然数乗の積分を、
負の整数乗や有理数乗などに拡張することを考える。
まず本節では、正の有理数乗の積分
(34)
を考える。ここで、
は互いに素な自然数とする。
この場合も、
より
,
として考えればよいのでそれで考える。
まずは、例えば
の場合を考えてみる。
2 節と同様に
を等分割 (10) で
取ると、この場合は
の極限が必要になるが、これを求めるのは難しそうなので、
2 節とは異なり等分ではない分割を考え、
,
を以下のように取る:
(35)
このようにすると、リーマン和は、
となるが、
なので、
となって収束条件 (4) を満たす。
よって、
(36)
となることがわかる。
一般の
乗の場合は、分割を
(37)
とすると、リーマン和は
となるが、この
の極限は (14) より
(38)
となる。
ここで一つ命題を紹介する。
命題 4
を区間
の等分点
(
) とし、
上の関数
に対して
(
) とする。
が
で下に凸な増加関数の場合、
は増加数列。
が
で上に凸な増加関数の場合、
は減少数列。
が
で下に凸な減少関数の場合、
は減少数列。
が
で上に凸な減少関数の場合、
は増加数列。
証明
が下に凸 (強凸) とは、
内の任意の
(
), 任意の
に対して
となることであるから、
,
,
に
対して
なので、
となり、よって
と
なるので
となる。
よって、
が増加関数ならば
は増加数列、
が減少関数ならば
は減少数列。
が上に凸な場合は、不等号の向きが逆になるだけで、
上と同様にして言える。
定積分に戻ると、
(37) に関して命題 4 を適用すると、
は下に凸な増加関数なので、
は
で
最大値を取り、
となるから、
のときに
となり収束条件も満たす。
以上より、
(39)
が得られることになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2026-07-30