5 不偏分散の自乗の展開
本節では (7) を示すために、
不偏分散の分散 (確率変数としての分散) を計算する。
(6) より、
![\begin{displaymath}
V[V_1]
= E[(V_1-\sigma^2)^2]
= E[V_1^2]-(\sigma^2)^2\end{displaymath}](img64.gif) |
(9) |
であるが、この
は (2) より、
![\begin{displaymath}
E[V_1^2]
= E\left[\left(\frac{n}{n-1}\right)^2
(\overlin...
...overline{X^2}^2-2\overline{X^2}\,\overline{X}^2+\overline{X}^4]\end{displaymath}](img66.gif) |
(10) |
となる。
この (10) の最後の式の中身を順に展開していくが、
そのために次のような記号を導入する。
を自然数として、
 |
(11) |
と定義する。ただし、和
は、
各
が 1 から
まで動き、
かつ
はすべて互いに異なるものに対する
和であるとする。例えば、
などとなる。
命題 2
同士の積について次が成り立つ。
証明
(12) の左辺は、
であるが、
の部分を
, ...,
と、それ以外に分ければ、

これを使うと、まず
は、
 |
(13) |
となる。次に、
は、

となるので、
 |
(14) |
となる。最後に、
は、

となるので、
 |
(15) |
となる。
(13), (14), (15) より、
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2013年7月4日