4.3.0.1 [A-1] の場合

この場合、生成する Riemann 問題の wave $\bar{\sigma}_k$ は、 $\bar{\sigma}_i$$\sigma'_i$ は同符号、 $\bar{\sigma}_j$$\sigma''_j$ は同符号となる。 よって $\sigma_\alpha(t)\mathop{/ \backslash}\bar{\sigma}_i$ かどうかは、 $i$-特性族の真性非線形性や $p=i$ かどうかに関わらず、 $\sigma_\alpha(t)\mathop{/ \backslash}\sigma'_i$ かどうかに一致する。

よって、いずれも approach するなら $\Delta V_\alpha(\tau)$$i$-特性族の項は $\vert\bar{\sigma}_i\vert-\vert\sigma'_i\vert$ となり、 いずれも approach しなければ $i$-特性族の項はない。 $\bar{\sigma}_j$, $\sigma''_j$ についても同様であり、 $\Delta V_\alpha(\tau)$ には $\bar{\sigma}_k$, $\sigma'_i$, $\sigma''_j$ 以外の項は含まれないので、いずれの場合も、

  $\displaystyle
\Delta V_\alpha(\tau)
\leq \sum_{k\neq i,j}\vert\bar{\sigma}_k\vert
+\vert\bar{\sigma}_i-\sigma'_i\vert
+\vert\bar{\sigma}_j-\sigma''_j\vert$ (28)
と評価されることになる。 よって、Lemma 7.2 (i) により (27) が 得られる。 なお、$M_1$ は Lemman 7.2 (i), (iii), (iv) の $O(1)$ の部分、 および Lemma 7.2 (ii) の $O(1)(\vert\sigma\vert+\vert\sigma'\vert)$ の部分を押さえる 定数であることに注意する (3.2 節、 3.3 節参照)。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-03