5 y3 の場合

次は、$y_3$ の場合を考えてみる。$1\leq k\leq L$ に対し (5) より、
\begin{eqnarray*}\mathrm{Prob}\{y_3=k\}
&=&
\mathrm{Prob}\{\lfloor p_3L\rfloor...
... \ &=&
\mathrm{Prob}\{(k-1)(R_M+1)/L-0.5\leq x<k(R_M+1)/L-0.5\}\end{eqnarray*}


となるが、 $(k-1)(R_M+1)/L-0.5\geq -0.5$, $k(R_M+1)/L-0.5<R_M+1$ なので、やはり補題 1 により、
\begin{displaymath}
\mathrm{Prob}\{y_3=k\}=\frac{1}{R_M+1}\left\{
\left\lceil\f...
...eil
-\left\lceil\frac{R_M+1}{L}(k-1)-0.5\right\rceil
\right\}
\end{displaymath}

となる。よってこの分子を $\beta_k$ とすれば、 補題 2 により この $\beta_k$ も (17) 同様
\begin{displaymath}
\left\lceil\frac{R_M+1}{L}\right\rceil-1
\leq\beta_k\leq
\left\lceil\frac{R_M+1}{L}\right\rceil
\end{displaymath}

を満たすことがわかり、 よって $y_3$ も最適な均等配分のひとつであることがわかる。

なお、 $\alpha_k=\lceil(R_M+1)/L\rceil$ となる $k$ の個数と $\beta_k=\lceil(R_M+1)/L\rceil$ となる $k$ の個数は同じになるが、 そのような $k$ の集合自体が一致するわけではないので (例えば $L=3$ で考えよ)、$y_2$$y_3$ が一致するわけではない。

同様にすれば、一般に、$0\leq \mu<1$ である実数定数 $\mu$ に対し、

\begin{displaymath}
p_5=\frac{x+\mu}{R_M+1},\hspace{1zw}
y_5=\lfloor p_5L+1\rfloor\end{displaymath} (18)

も、$y_3$ と同じ議論により、 $y_2$ と同じく最良の均等配分になることがわかる。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年6月22日