2 比較する確率変数

前回の [1] での考察からすると、(3) は、
\begin{displaymath}
p_3 = \frac{x+0.5}{R_M+1.0}\hspace{1zw}\end{displaymath} (5)

(以後、$R_M=$RAND_MAX とする) とした方がいいのでは、 と思うかもしれないし、また、
\begin{displaymath}
p_4 = \frac{x}{R_M}\end{displaymath} (6)

によって、 $0.0\leq p_4\leq 1.0$ の範囲の実数の乱数 $p_4$ を作り、
\begin{displaymath}
y_4=\lfloor p_4(L-1)+1\rfloor\end{displaymath} (7)

としたら、と考える人もいるかもしれない。

これら $y_2$, $y_3(=\lfloor p_3L+1\rfloor)$, $y_4$ を 数学的に比較してみることにする。

なお、ここでは $x=$rand() は 0 から $R_M$ までの 一様な乱数、すなわち $0$ から $R_M$ までのどの整数になる確率も $1/(R_M+1)$ に等しい確率変数である、とする。

今回は、1 から $L$ までの値を取る確率変数 $y_j$ を考えるわけであるが、 望まれるのは、それらがなるべく均等に現われること、すなわち、 $1\leq k\leq L$ であるすべての整数 $k$ に対して、

\begin{displaymath}
\mathrm{Prob}\{y_j=k\}  (=\mbox{「$y_j=k$ である確率」}) \approx \frac{1}{L}\end{displaymath} (8)

を満たすことである (`$\approx$' はほぼ等しいことを表わす)。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年6月22日