7 4 次方程式の累乗根
フェラーリの解法で追加される累乗根は、
まず分解方程式とも呼ばれる (41) の 3 次方程式の解を
表すための 2 つ。(41) は
と書けるので、
とすると、
となり、
は
となる。よって、最初に追加する累乗根は 5 節の (18), (19) より
と
である。
次に追加するのは、(41) の解のひとつの
に対して (42) に現れる
であり、そして最後に (42) の 2 本の 2 次方程式の
判別式
の平方根である。(42) は、
なので、
(43)
となり、その平方根
が最後に追加する 2 つの平方根である。
まずは
からだが、3 次の場合と同じように変数を一つ減らして
と
で考える。
は既に (39) に示したし、
命題 3 で
も示したので、
と
の関係を見る必要はない (必要なら命題 2 で容易に得られる)。
まず、
を
で表す。
なお、
を
で表してもあまり項は消えず、
むしろその先が大変である。
となる。よって、
より、
(44)
と書ける。
ここで、
は
の 6 次の対称式となる。
当然
も
の対称式であり、
の対称式でもあるが、
それが
(45)
を因数に持つということは、
は
の置換をほどこしても不変なので、
(46)
も因数に持つということになる。
実際、(45) に (2 4) の互換をほどこせば
に変わるので
は
で割れ、
さらに (2 3) の互換をほどこせば
に変わるので、
でも割れるから、(46) で
割れることになる。
よって
は (45), (46) の積である
で割れることになる。
は 6 次の対称式なので、
(44) より結局
は
の定数倍
となり、その定数は、
に
具体的な値を代入すれば決定できる。
例えば、
とすると
となり、よって
(44), (46) より
なので、
となることがわかる。これにより、
となり、よって
の平方根のひとつは
(47)
となる。4 次の場合も、最初の累乗根
はやはり差積の定数倍であり、
3 次の場合の (33) の
と
ほぼ同等の式になっていることがわかる。
なお、
は、この形を知った上でなら (44) を展開して直接示すこともできる。
その計算は本節の最後に紹介する。
次は
。
(48)
となる。ここで、この右辺を 3 乗の形に変形するために、
3 項の 3 乗の展開について少し見ておく。
3 次の対称式
を
と定めると、
の 3 乗は、
(49)
より、
(50)
となることがわかる。
また、
は次の性質を持つことも容易にわかる。
(51)
さて
の (48) の右辺の変形に戻る。
(48) を
(52)
と変形すると、
(52) のかっこ内の最初の 2 項は (49), (50), (51) より、
となり、よって
は
(53)
と書ける。ここで、
となるので、
と変形できる。また、(51) より、
となるので、(53) は、
となり、よってその 3 乗根の一つは
となる。
で表すと、
より
となる。
また、
を
にした場合の
は、係数が共役になるので、
となる。この
と
の和で
が構成される。
次は
。
は、
だが、
より、
となるので、
の平方根の一つは、
(55)
となる。
最後は
。(43) より、
なので
(56)
と書ける。この最後の項であるが、これは約分ができる。
(49), (50) より
は
と因数分解できるので、(55) より
と約分できる。これにより (56) は、
となり、よって
の平方根の一つは、それぞれ
となることがわかる。以上をまとめると、4 次方程式の解の公式の累乗根は
となる。
逆にこれらの式と係数
から解を表すのは容易で、
と
を
使えば、
であるから、
によって
となる。この右辺は丁度フェラーリの解と同じものになっている。
最後に、(47) の後に書いた、
(44) の
が
に等しいことを
直接展開することにより示す。
まず、(54) の最初の
の 3 つの項の和を
, 後の
の 3 つの項の和を
とすると、
(57)
であることがわかる。一方、
とすると、
より
(58)
となる。よって、(44) は (50), (51) より
となるので、(57), (58) より、
となることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2026-09-25