A. 曲率の回転不変性
この節では補遺として、(10) または (19) によって
与えられる の回転不変性を示す。
もちろん 3 節や 4 節の議論から
それが回転不変性を持つことは明らかなのであるが、
それを式の上で (10), (19) に対して
直接示してみる。
まず、 で表される曲線を回転して得られる曲線を考える。
点 を原点の周りに 回転した点を
とすると、
それは
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(21) |
となるので、これを , について解いて、
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(22) |
とし、これを 代入して得られる , の式を について解いて
としたものが、
を 回転した曲線の式となる (
座標軸上のグラフ)。
の回転不変性とは、
対応する点に対する が でも でも同じ値になること、すなわち、
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(23) |
が成り立つことであり、まずこれを示す (もちろん は での微分を意味する)。
上で説明したように、(22) を に代入した式
を について解いたものが
なので、
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(24) |
となる。この式 (24) を で微分すると、
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(25) |
となるから、これにより
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(26) |
が得られる。(25) を再び で微分すると、
となるので、
より、
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(27) |
となる。また、(26) より、
となるので、(27), (28) より
確かに (23) が成り立つことがわかる。
なお、2 節で の値が回転不変ではないと書いたが、
それは (27) からわかる。
次に (19) の回転不変性であるが、これは
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(29) |
ということである。
(22) より、
であるから、
となるから、(29) が成り立つことはすぐにわかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年3月3日