「曲線上の の近くの点 を取り、 , からそれぞれこの曲線の法線 (その点を通ってその曲線に垂直に交わる直線) を引き、 その 2 つの法線の交点 を考える。 この を に近づけたときの の極限が曲がり具合を表す円の中心 (すなわち曲率中心) であり、その点と との距離が曲率半径 である。」この節では、この考え方で曲率半径を求めてみることにする。
なお、 を に近づけると、 それに対する 2 本の法線はだんだん平行に近くなっていくので、 その交点 もだんだん遠ざかるのでは、と思うかもしれないが、 実際にはそうではないことは円の場合を考えればすぐにわかる。 円の場合には、法線は直径であるからその交点 はその円の中心となり、 を に近づけても は移動しないからである。
では接線の傾きが であるから法線の傾きは となり、 よって での法線の方程式は
(12)
(13)
(14)
なお、この節の議論により、
「この曲線に より小さい半径の円が点 で (曲率中心と同じ側に) 接する場合、 その円とこの曲線との交点は、 の近傍には 以外にはない」ということも言える (詳細は B 節参照)。 これは、 より小さい半径の円は、 でこの曲線に「べったり」貼り付くことはない、ということを意味している。
竹野茂治@新潟工科大学