平面曲線 上の点 での曲率半径が () であるとき、 である を半径に持つ円 が 点 で ( の凹んでいる側に) 接しているとすると、 と との交点は、 の十分小さい近傍には 以外には存在しない。
証明
背理法で示す。
もし、 と の交点が、 のいくらでも近くに存在するとすると、 その交点からなる に収束する点列 ( ) を取ることができる。 ただし、そのような交点のうち、
そこで曲線 と円 が接していなくて、 かつ に向かう方向に見て曲線 が円 内に入っていくような点は除くことにする。 円に入ったところの交点の次の交点は、 円から出る交点か円に接する交点のどちらかであるから、 そのような排除の前に に収束する交点列が存在すれば、 そのような排除を行っても に近づく交点は無限に存在することになるから、 はこのようにして取った点列であるとする。
円 の中心を とすると、 であるが、 での の法線を考えると、 が円と接している場合は、それはこの円の直径になるから の法線との交点は となる。 が円と接していない場合は、 は がそこから を出ていくような点であるから、 での の法線は を通る直径よりも に向かって傾いていて、 よって、 での法線と での法線との交点は半径 上にある。
これにより、 での法線と での法線との交点は、 すべて半径 上にあることになり、 その の極限点も 上にあることになるから、 その点と との距離 は となる。 しかし、この距離 が、3 節で見たように での曲率半径であるから、 でなくてはならず、これは不合理となる。
ゆえに、 の近くに限りなく と との交点が存在することはなく、 交点が しかないような の近傍を取ることができる。
竹野茂治@新潟工科大学