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5 積の収束の証明
では、3 節の極限の定義 2 を使って、
積の収束 (3) を証明してみよう。
この場合、どんな () に対しても、 ならば
|
(6) |
となるような が取れればいい。そのような を実際に探してみる。
まず、2 節のように、
とすると、, は , にそれぞれ収束する
という仮定から、
極限の定義 2 により、
どんな () に対しても
- ならば
となるような が取れ、
- ならば
となるような が取れる
はずである。つまり、この場合、
となることになる。
2 節で計算したように、
であることに注意する。
まず、, の場合を考える。
仮定より、
と考えれば、
|
(7) |
となるような が取れるはずである。
同様に、
と考えれば
|
(8) |
となるような が取れるはずであるし、
と考えれば
|
(9) |
となるような も取れるはずである。
この、, , の一番大きいものを としよう。
そうすると、 ならば、もちろん だから
(7) より
なので、
|
(10) |
となる。同様に だから (8) より
なので、
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(11) |
である。そして、 かつ だから、
(7) と (9) より
なので、
|
(12) |
である。この (10),(11),(12) を
合わせると、 に対しては
すなわち、
が言え、(6) が言えることになる。
で のときは、
とすれば
である が取れ、
とすれば
であるような が取れる。
よって、 と の大きい方を とすれば、 であれば
なので、
となり、よって
が言える。その他の場合も同様である。
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竹野茂治@新潟工科大学
2006年3月31日