が大きくなるとき、 が限りなく 0 に近づくことを意味する。この「限りなく 0 に近づく」とは、どういうことだろうか。
これは、0 に近づく度合いに限りがない、つまりいくらでも 0 に近づく、 ということを意味しているのであるが、これをいくつかの例で考えてみる。
数列
例えば、0.1 () よりも近くなるか、 と言えば、それは ならば確かに なので、 のときはそうだと言えるだろう。
0.001 () よりも近くなるか、と言えば、 それは ならば なのでそうだと言えるし、 0.00001 () よりも近くなるか、と言えば、 それは ならば なのでそうだと言えるだろう。
ここに、「 ならば」のような条件がついているが、 極限の説明には「 が大きくなると」と書かれているので、 こういう条件がつくことには問題はない。 つまり、「限りなくいくらでも 0 に近くできる」というのは、 「それに必要なくらい を大きくしていけば」という条件の下で、 ということを意味しているのだとわかる。
よって、0.1 に対して、「 ならば 」 となるような を取ることができ、 0.001 に対して、「 ならば 」 となるような を取ることができ、 0.00001 に対して、「 ならば 」 となるような を取ることができ、 といったことが、どんな小さな数に対してもいつでもできるようならば、 「 は 0 に収束する」と言う、というのが自然な定義であるように思える。
これをもう少し明確に述べたのが、次の定義 1 である。
ならばとなるような を取ることができることを意味する。
「 が に収束する」という場合は、その差
が
0 に収束すればよく、よって、 ならば
ならばとなるような を取ることができることを意味する。