が大きくなるときに、数列 の値が限りなく に近づくことのように書かれている。 しかし、これは極限の意味を感覚的に伝えている「説明」にすぎず、 数学的に厳密な「定義」とは言いがたく、 例えば「限りない」とはどういうことか、といったような説明はそこにはない。
例えば、これを定義とみて、次の性質
証明すべきことは なので、 つまり、が大きくなるときに、数列 の値が限りなく に近づくことを示せばよい。 は限りなく に近づいていくので、
と書ける。同様に、
と書けるので、
となるが、
なので、 , , より
となり、確かに の値は限りなく に近づく。この「証明らしきもの」は一見正しいように見えるかもしれないが、 最後の段階の (4) から (5) を導くところで この命題の結論自身、すなわち
しかし逆に言えば、この場合、すなわち 0 に収束する場合 (, の場合) を示せば、 一般の場合 (, の場合) の場合は それを使って証明できることになりそうだとわかる。
よって今度は、これも含めて「0 に収束する」 ということを考えてみることにする。