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8.1 近似解の一様有界性

方程式によっては一様有界性を示すのは難しく、今のところ 位でしかこれは示されてはおらず、 例えば不変領域の理論でちゃんと一様有界性が得られる方程式はかなり限られていて、 一般には近似解の一様有界性を得るのは非常に難しい。

これに対して、Young 測度を $L^\infty$ での有界列でなく、$L^p$ ($p>1$) での有界列に拡張し ($L^p$-Young 測度)、 補完測度法の定理も $L^p$ 弱収束に拡張して考える $L^p$-補完測度法というものも考えられている ([32,33,34,35,36,37,38] 等参照)。 今のところ、Tartar 方程式の処理等が難しいようでまだこれによる結果は 多くはないが、これがうまくいけば、有界性の評価は自然に成り立つことが 期待されるエネルギー評価で置き換えることができるので、 少なくとも有界性に関する部分は解消できることになる。

さらに、今まで補完測度法には適用できなかったような近似解、 例えば圧縮性 Euler 方程式の近似解として、人工粘性近似でなく 自然粘性近似である圧縮性 Navier-Stokes 方程式の解を使い その収束性を補完測度法で議論する、といったことが行える可能性がある。


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Shigeharu TAKENO
2001年 12月 17日