良く知られているように、保存則方程式は初期値が滑らかでも、 有限時刻内に解に不連続性が現われる現象が起こり得る。 これは気体力学での衝撃波に対応していて、よってそれを含むような 解を考える必要があり、そのために通常は弱解を考えることになる。
現在までに知られている、弱解の存在の証明方法には
系 (![]() |
近似解 | 収束性 | 初期値 | |
Oleinik [10] (1957) | 1 | L-F 差分 (*1) | Helly (*3) | large data |
粘性近似 (*2) | ||||
Glimm [11](1965) | ![]() |
Glimm 差分 | Helly | small data (*4) |
西田 [12] (1968) | 2 (*5) | Glimm 差分 | Helly | large data |
Tartar [13] (1979) | 1 | 粘性近似 | 補完測度法 | large data |
DiPerna [14],[15] (1983) | 2 (*6) | L-F 差分 | 補完測度法 | large data |
粘性近似 | ||||
DiPerna [16] (1976) | 2 (*7) | 波面追跡法 | Helly | small data |
Bressan [17] (1992) | ![]() |
波面追跡法 | Helly | small data |
「上一様有界で一様有界変動である関数列 からは、ある有界変動関数に各点収束する部分列を取ることができる」
これらの結果は改良されている部分もあるし、また近似解として 動力学的近似を用いる Lions,Perthame,Tadmor,Sourganidis らの方法もあるが、 詳細は省略する ([19,20] 参照)。
いくつかの方法の中で補完測度法の一番の特徴は、 大きい初期値に対して解の存在を示せることであろう。 最近 Bressan らによる小さい初期値に対する適切性 (存在、一意性、連続依存性) の研究が強力に進められているが、 大きい初期値に対する結果は補完測度法によるもの以外は、 今のところ特別な方程式 (*5) に対するものしかない。
なお、Helly の定理を用いる場合と、補完測度法を用いる場合に使われる 近似解の評価は異なっていて、それらは以下の通りである。