5 ロンスキー行列式以外の一次独立性の判定法

もちろん、ロンスキー行列式以外にも、関数の集まりに対する 一次独立性の判定法はある。

恒等式から係数の $c_j$ が 0 になることを示せばよいので、 例えば、例 4 で行ったような 具体的な $x$ の値をいくつか代入することで 複数の方程式を作り出し、それによって判定する方法がある。 すなわち、(2) に $x=x_1,x_2,\ldots,x_n$ を代入して、 その連立方程式

    $\displaystyle \left\{\begin{array}{ll}
c_1f_1(x_1)+\cdots+c_nf_n(x_1) &=0\\
\cdots\\
c_1f_1(x_n)+\cdots+c_nf_n(x_n) &=0
\end{array}\right.$ 
    $\displaystyle \left\kakul\begin{array}{ccc}f_1(x_1)&\cdots&f_n(x_1)\\
\vdots &...
...ight\kakur
=
\left\kakul\begin{array}{c}0\\  \vdots\\  0\end{array}\right\kakur$(7)
を考えれば、この係数行列の行列式 $\vert\kakul f_j(x_i)\kakur\vert$ が 0 でなければ、その逆行列が存在して $c_1=\cdots=c_n=0$ となり、 一次独立であることが言える、という方法である。

関数に積が含まれている場合など、関数の導関数がかなり複雑な式に なってしまう場合は、ロンスキー行列式よりもこちらの方が楽になるし、 場合によっては、微分によって式を増やす方法と複数の値を代入する 方法の組み合わせてもよい。

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竹野茂治@新潟工科大学
2026-02-17