連立一次方程式で、方程式の本数の方が未知数の数より多い場合、 線形代数の理論では、不要な方程式を捨て去ることによって解があるか ないかを論じますが、工学では最小自乗法を用いて、できるだけ すべての方程式を満足するような解を求めるのだそうです。 その証明を少しまとめてみました。
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(01/13 2009)
不定積分が簡単に求まらない関数でも、 その特別な区間での定積分の値は、別な理論の力を借りて求まることがあります (微分方程式、二重積分、複素関数論の留数定理など)。 それらは代表的なものは数学事典の付録などに書かれていますが、 丁度欲しいものは載っていない場合があります。 そのような場合の例として、 一つ質問された定積分の値を求める計算を紹介します。
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(01/13 2009)
一次変換に平行移動を加えた変換をアフィン変換といいますが、 その変換が未知である場合、一般には未知数は 3*3+3 = 12 個ありますので、 それを点とその変換による移動から求める場合、12 本の連立方程式が必要です。 一点につき 3 本の連立方程式が得られるので 結局 4 点 (とその移動先の点) の座標がないと求められないのですが、 それが、回転 + 平行移動からなる合同アフィン変換の場合は、 3 点の移動だけで求められる、という話を機械系の方から聞きました。
しかもそこに (少なくとも私には) 面白いと思われる手法が使われていたので、 それを少しまとめてみました。
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(01/13 2009)
通常の円錐、 すなわちある平面上にある円の中心の真上に頂点があるような円錐を 「直円錐」と言うとして、 その頂点が円の中心の真上以外に頂点があるような傾いた円錐を仮に 「斜円錐」ということにします。
実は知人から、この斜円錐の側面の面積はどう求めたら良いか、 通常の直円錐の側面積の公式 (πr(r2+h2)1/2) を使って良いのか、と聞かれました。
一見して難しそうな問題ですが、 実際にそれが難しかったことや、また面白い結果も分かりましたので、 数値計算結果なども加えてそれをまとめてみました。
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(01/13 2009)
極座標での曲線の長さの公式を見ていて、 ふと CD (compact disk) の溝の長さはどれくらいだろうと思いついて 少し考えてみたら、 2 つの考え方で異なる式が出るのに、数値で見るとほとんど違わない、 という結果が出ました。
その小ささが少し意外だったことと、 途中に基礎数理などで使われる手法も色々出てくることもあって それを少しまとめてみました。
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(01/13 2009)
よく答案用紙を整列化 (ソート) するときに、 効率のいい整列化の方法をコンピュータに考えさせて、 それに従って整列化したら速く済むんではないかな、 と漠然と考えていたのですが、 今回、研究室の学生の卒研に合わせて少しまともに考えてみました。
基本的にアルゴリズムの問題で、直接講義とは関係ないのですが、 少し面倒な数学を使う部分もありますし (微分を使う部分もある)、個人的にはおもしろい結果が出ましたので、 ここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
うちの大学では 基礎数理 I でテイラー展開をやりますが、 そのテイラー展開に関して、いくつか質問されたことや気がついたことなどを その講義の WWW ページ ( http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/math/lecture/basic1/basic1.html) にいくつか書きました。
しかし、そこで使用した級数に関する性質等は、 工学部用の薄い解析の教科書にはあまり書かれていないことが多く、 よって、他の性質と合わせてそれらを紹介することを目標に 少しまとめてみましたので、それをここにおきます。
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(01/13 2009)
ゲームなどで熱中すると、 つい意地になって次に勝つまでやろうと決めてしまったり またはやめにくいときに、次に負けたらやめよう、 などと考えたりしますが、 しかし、果たしてこれらは得なんでしょうか。
元は期待値や無限級数の演習問題として考えてみたものですが、 結果自体はそれほどおもしろくはないのですが、 それを詳しく調べるところで 微積分の通常の演習問題よりは微分を多用する場面がでてきましたので、 そのようなサンプルとしても意義があるのではないかと思いましたので ここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
例えば C 言語というプログラム言語には 0 からある範囲までの整数の乱数 (疑似乱数) を返す関数が用意されているのですが、 それをその範囲の上限で割り算すれば、 一見 0 から 1 までの実数の乱数が得られることになります。 ただ、それにはその上限に 1 を足した数で割るなどの流儀もあり、 その辺りを多少数学的に評価して考察してみました。
元々、研究室の卒研の学生向けに C の実習書を書いていて、 少し気になったので計算してみたのですが、 学生の参考用も兼ねてここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
上の 「プログラム中のある乱数の評価」 では、C 言語にある 0 からある範囲までの整数の乱数 (疑似乱数) を返す関数を使って、確率 r で 1 を返す関数を作り、 その評価を行いました。
今度は、同じ疑似乱数を使って、 1 から L までの整数を返す乱数を発生させる場合について 簡単な評価を行ってみました。 学生の参考用も兼ねてここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
学生に、
「N 個の要素のある配列のうち、 乱数を使ってそのうちの m 個 (1≦m≦N) をランダムに 1 に、 残りを 0 にする」というプログラムを書いてもらったところ、
しかし、この方法だと既に 1 であるところにぶつかると また乱数を取ってやり直すことになりますので、 何回で終わるという保証はありませんし、 極端な話、乱数があまりよくない乱数である場合には、 かなりの回数がかかってしまう可能性もあります。
では、この方法では終わるまでに平均的に何回かかるのかを計算してみました。 普通に計算するとなかなか難しい計算になってしまうのですが、 それも含めてここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
グリッサンド音とは、ある音程から別な音程に 音を連続的に変化させることを言います。 そのような音を作成するツールを、 yomi というソフトに sndglis として付属させています (cf. サンプル音声)。
しかし、そのような音声の作成は実はそれなりに数学的な考察が必要で、 三角関数、指数関数、指数関数の積分などがでてきますので、 それなりに微積分の応用例にもなっているのではないかと思いますので、 ここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
ある本を読んでいたら、性染色体によって引き起こされる ある遺伝的な性質があり、 その説明があった上で「よって女性にはほとんど起こらない」 と書いてありました。
それが何となく気になったので、 この比率などを数列を使って計算してみました。 それをここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
パラドックスとして有名なものに、
「『クレタ人は嘘つきだ』とクレタ人が言った」というものがありますが、 かなり本筋とは関係ないところでですが、ふと思ったことがありますので、 それをここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
私のある先生は、その年の何月何日と言えば、 少し考えて曜日すら言い出す位でした。 それは、その先生が暗算が優れていたというわけではなく、 その先生の言っていたことを考えてみると、 多少のルールと多少の計算で導いていたように思います。
その先生が実際にどう考えていたのかは正確には知りませんが、 少しそれについて考察してみましたので、ここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
2008 年の今年は 3 月 20 日が春分でしたが、 春分の日は固定しているのではなく、 現在は国立天文台の観測によって毎年の春分の日が決められているそうです。
春分の定義としてよく耳にするのは 「昼の長さと夜の長さが同じになる日」というものですが、 はて、それはどの国でも同じ日になるのかな、 緯度によって違いがあったりしないのかな、 とふと思ったので少し考えてみました。
ついでに、 地球から見た場合の太陽の軌道が傾いていることや、 季節によるその軌道の変化などについて、 ベクトル解析風に考えてみました (したがって、通常の説明よりもずっとややこしい) ので、 それらをここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
2 進法を利用した数当てゲーム (パズル ? 手品 ?) というものがあのは ご存じでしょうか。 ある範囲の整数から好きな数を一つ選んでもらって、 その範囲の複数の数字が書かれたカードを何枚か見せて、 覚えた数字が入っているカードを選んでもらって、 それにより覚えてもらった数字を直ちに言い当てる、というものです。
そのゲームに関して少し考察してみたので、ここにまとめておきます。
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(01/13 2009)
そして、この文書の 4 節で上げてある 4x4 マスで、 枠を利用したものの型紙みたいなものを作ってみました。 ただ、サイズは適当に拡大して印刷 (あるいは印刷したものを拡大) してください。 黒い■部分はカッター等で穴を空けます。 詳しくは、上の文書をご覧ください。
追加ですが、先日この数当てを小学生 (+PTA) 相手に紹介しました。 その際、上の穴開き形の数当ても最後に紹介したのですが、 小学生にその場でそれを作ってもらうのは時間的に難しかったので、 最後に作り方の資料を配付して終わりとしました。 その配付資料を以下に置きます。 そのため、一部その際の説明を聞かないとわからない部分も含まれています。
なお、小学生向けなので、漢字には一通りルビをふってありますが、 HTML 版では後ろにかっこをつけてルビを表現してありますので、 やや見にくいです (XHTML ではルビタグもあるようですが...)。
偏微分に関する合成関数の微分法の典型的な応用問題の一つに 「ラプラス微分作用素 △f を極座標で表現せよ」 というものがあります。
これは、それなりに計算が大変なのですが、 少し簡単な計算法に気がついたので、ここにまとめておきます。
なお「偏微分の合成関数の微分法」は基礎数理 IV あたりの内容ですが、 ここでは線形代数やベクトル解析も使用しますので、 その他のページに上げておきます。
ベクトル解析の教科書には、次のようなベクトル三重積の公式があります。
A×(B×C) = (A・C)B−(A・B)Cこれは、それなりに幾何学的な意味も持った公式ですが、 この公式の証明は、 たいていの教科書ではほとんどが成分計算による確認で行っています。
しかし以前から、
「成分計算による証明は確実であるが『確認』にしかなっておらず、 なぜこのような公式が成り立つのかという説明にはなっていない」と感じていました。
そこで、いくつかの証明を検討したものをここにまとめておきます。
utt=(xux)x (t>0, 0<x<L)という偏微分方程式の問題が取り上げられています。
この方程式は 2 階の双曲型の線形偏微分方程式ですから、 普通に考えると x=0 と x=L の両方の境界に境界条件が必要となるような 気がするのですが、 一方の境界 x=0 はこの方程式の特性方向になっていて、 しかも x=0 では双曲性が退化しているため、 通常の双曲型の方程式とは状況がだいぶ異なり、 実際には x=L での境界条件のみで一意的な解を得ることができます。
では、この方程式を少し一般化したもの
utt=xuxx+μux (t>0, 0<x<L)では、どのような場合に x=0 での境界条件が必要で、 どのような場合にそれが必要ないのかを、 上と同様の方法、および数値計算を交えて考察してみましたので、 ここにまとめておきます。
なお、本稿については、慶応大学の高山正宏先生に色々と教えて頂きました。 深くお礼申し上げます。
追記 (06/25 2009):
さらに慶応大学の高山正宏先生から本稿に目を通して頂いて、
というご指摘を頂きました。 確かにこれはその通りで、μ<1 での構造が、 μ=1/2 の状態と同じであるため、μ=1/2 の場合の解の一意存在に必要な (6) が、 μ<1 の場合でも必要だろう、という程度のことで、 実際に (6) によって解が存在すること、およびその解が一意であることを、 形式的にでも示せたわけではありません。 よって、これはあくまで類推による「予想」にすぎません。
現在、エネルギーを用いた解の一意性についての考察をまとめたいと考えていますので、 またそのうちに続編としてここに上げたいと思います。
プロ野球の順位表には、たいてい勝率とゲーム差というものが表示されています。 シーズン中盤になるとゲーム差にはだいぶばらつきがでてきて、 かなり大きく離されてしまっているものを見ると なんとなくかなりの実力差があるように見えてしまいます。
しかし、それは本当にそういうことを意味しているのか、 単純なモデルに対して「ゲーム差」の平均について考えてみましたので、 ここにまとめておきます。
漸化式で決まる数列として代表的なものにフィボナッチ数列があります。
an+2=an+1+an, a0=0, a1=1これは、3 項の定数係数線形同次漸化式と分類されるものですが、 この一般項には 5 の平方根が現れることがよく知られています。
この数列から得られる項はすべて整数なのに、 一般項に 5 の平方根のような無理数が現れることに 不思議さを感じる人もいるようです。
そこで、一般の定数係数線形同次漸化式、 および連立の線形同次漸化式、非同次の漸化式の解 (一般項) の構造や その求め方について考察を行い、 フィボナッチ数列の一般項の構造に関しても考察してみましたので、 それをここにまとめて置きます。
最近、ある工学系の論文で、誤差関数や変形ベッセル関数が現れていて、 その漸近展開を利用した近似計算が行われているのを目にする機会がありました。
そのような漸近展開式は、辞典や公式集を参照すれば 探し出すことはできるでしょうが、実際にそれらをどのようにして導くのか、 という説明はあまり普通の解析の本には載っていないように思います。
そのような漸近展開の例として、これらの関数に対する計算をしてみましたので、 ここにまとめておきます。
以前、斜円錐の側面積に関して考察しました (「斜円錐の側面積について」 参照) が、 ふと、その展開図はどうなるのかという話を目にしました。
実はこれもかなり厄介な話であり、 少し計算してみたので、ここにまとめておきます。
先日ある方から、
「相関係数 r が 1 に等しい場合に、データ点が直線になるのはなぜか」と聞かれました。 実際にはそれはいわゆる「シュワルツの不等式」と同等な話になります。 しかし、それを「イメージとしてわかるように説明して」と言われたのですが、 それはかなり難しいです。
一応その方の話をヒントにして、 シュワルツの不等式のやや初等的だろうと思われる証明を考えてみましたので、 ここにまとめておきます。 ただし、「イメージとしてわかるよう」な説明にはなっていません。
平面図形の重心は、基本的には二重積分の計算で求められますが、 具体的な問題ではその計算は大変で、 通常は容易に重心の求まる簡単な図形 (対称な図形、円、三角形等) に分割して統合する、という方法を取るのだと思います。
また、三角形の重心は、面としての重心と頂点としての重心が一致することが、 二重積分の計算によっても確かめられますが、 それが成り立つことの簡単な説明はないか、 より一般の図形でも同様のことは成り立つのか、なども考えてみました。
これら、重心について少し考えてみたことを、ここにまとめておきます。
通常、手でものを数えるというと、片手の指を一つずつ折っていって、 0,1,2,3,4,5 までと数えるのが普通でしょう。 さらに、ここから戻って指を 1 本ずつ開いて、6,7,8,9,10 と数えることもあります (なお、以下の写真では親指が外に出ていますが、 通常は親指は人差し指の下に折り込まれます)。
ただ、その方法では指の最終段階の形を見ても、 例えば 3 と 7 は同じ形なので、それがそのどちらを意味するのかがわかりません。 だから 5 を越える場合は簡単には両手を使えばいいのですが、 中には 6 からの折り返しでは手を裏返しにして 手の甲を手前にして区別する人もいるようです。
上の方法は、見た目にすぐにその数が何であるかわかりやすいので、 それなりにいい方法ですし、これを元にして 10 進数が生まれたと言われています。
しかし「指の折り方の形」は、上のもの以外にも沢山あります。 たとえば、上の折り方には「中指だけを折った状態」は含まれません。 片手では、5 本の指をそれぞれ折るか折らないかがありますから、 全部で 25 = 32 通りの指の折り方があります。 これを 2 進法に対応させれば、 次のようにして片手だけで 0 から 31 まで数えられることがわかります。
親指、人差指、中指、薬指、小指が、 それぞれ 2 進法の下からの桁に対応することがわかると思います。 次が何であるか考えるのが大変そうに見えるかもしれませんが、 それなりに規則性があるので、 慣れると割りと容易に順に動かすことができます。
ただ、この方法の欠点は、指の形を見て、それが (10 進法で言うと) なんの数字であるかを知るのにやや時間がかかることです。 しかし、ある数字を手で保存するとか、他の数字との大小を比較するといった用途なら、 普通の数え方よりも大きな数まで表わせる方法として十分意味があると思います。
大きい数字を表すには、普通の折り方で片手で 0 から 9 (10) までを表し、 でもう一方の手で 10 の桁を保存する、という方法もあるのですが、 これでも両手で 100 (うまくすれば 110) までしか表現できません。 しかし、両手で上のすべての折り方を使う方法で 2 進法で数えれば、 なんと 210-1 = 1023 まで数えることができます。
もう一つの欠点は、数字によってはやや手が痛い (つりそうになる) ことですかね。
(07/29 2010)
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先日、ある統計データとしてメジアンと平均を比較したものを見る機会がありましたが、 私は統計のことは良く知らないのですが、なんとなく珍しく感じました。
そこで、少しメジアンと平均の関係について考えてみたので、 ここに簡単にまとめておきます。
最近以下の本で「久米宏のパラドックス」なるものを見ました。
著者も述べている通り、これはそのように流布しているわけではなく、 便宜的に本書の中でそう呼んでいるだけのものですが、 それは以下のような話です:
かなり前のニュースステーションで久米宏が 「交通事故で年間約 1 万人死ぬから、日本の人口を 1 億人とすれば、 今年私が交通事故で死ぬ確率は 1 万分の 1、 小宮さんと小林さんを加えれば 3 人の誰かが今年交通事故で死ぬ確率は 1 万分の 3 になる」 と言っていたが、その理屈でいけば 「ある特定の 1 万人の誰かが今年交通事故で死ぬ確率は 1 万分の 1 万 = 1」になってしまうが、それはおかしい。
本書では、久米さんの理屈はおかしいが、近似としてはあっている、 という形で書いてありますが、実際の数値は示していません。 特に、「特定の 1 万人の誰かが死ぬ確率」については触れていませんので、 折角ですから計算してみました。
実際の交通事故を考えると若干話が面倒なので、 ここでは簡単に
N = 1 億人から M = 1 万人を選びだすときに、 ある特定の L = 1 万人から誰かが選ばれる確率を考えます。
この確率 P(L) (=P(L;N,M)) の値は、 (N-L) 人から M 人が選ばれる (L 人からは誰も選ばれない) 確率を 1 から引けばいいので、
P(L) = 1 - (N-L)CM/NCMで計算できます。 小さい L でもこの計算は結構大変ですが、L = 3 だと大半が約分されるので
P(3) = 1 - (1億-3)C1万/1億C1万となります。 L = 1 万人の場合はさすがに手では計算できないので、 コンピュータに計算させてみると P(10000) = 0.63 位になります。 これを 1 万人ずつ増やしてみると、以下のようになります:
= 1 - (1億-1万)(1億-1万-1)(1億-1万-2)/(1億)(1億-1)(1億-2)
≒ 1 - {(1億)3 - 3(1万)(1億)2}/(1億)3 = 3/(1万)
P(1万) = 0.6322,確率が 1/2 を越えるのも 5 千人ではなくて、6930 人位のところのようです。
P(2万) = 0.8647,
P(3万) = 0.9502,
P(4万) = 0.9817,
P(5万) = 0.9933
なお、交通事故死亡者数は 1990 年代中頃から減り続け、 1995 年頃から死亡者数も 1 万人を切り、 昨年 (2010 年) はその半数以下の 5000 人弱となっています。
中間値の定理は、連続曲線と直線の交点の保証のような定理と見ることができますが、 では、平面内の連続曲線同士の交点についてはどうでしょうか。 それはブラウアーの不動点定理の応用例として示すことができるようですが、 それをここにまとめておきます。