5 行ベクトルが線形独立で正方行列でない場合
あとは考えるべきは、 の行ベクトルが線形独立で、
かつ が正方行列でない場合、
すなわち の場合となる。
ならば の行ベクトルは必ず線形従属となるので、
の場合のみを考えればよい。
本節以降で、これをいくつかの段階に分けて、
補題などを紹介しながら考えていくことにする。
次元行ベクトル
が線形独立なので、
これに 個の線形独立なベクトル
を追加して、
が線形独立であるようにできる。
その上で
(25)
とすれば、 個の確率変数
を作ることができる。
そして、
(26)
とし、
(27)
とする。
考えるのは、
の独立性、
すなわち (10) であるが、
その左辺が 次元確率分布
の分布関数
で、それを積分で書いて
から
に
変数変換すれば、
となり、よって密度関数
はこれを微分して、
(28)
となる。
あとは、これが
の形になるかどうかを
考えればよい。
ここで、
の独立性より、
は (9) の形なので、
ここに
を代入すると、指数部分は、
(16) 同様
となる。
は線形独立なので、
() で、
よってこれを (9) に代入して、
(28) の積分を計算すると、最終的に、
のような形になる。
これにより、
の独立性の条件は、
の係数 がすべて 0 になること、
になる。
以後は、この を具体的に求めること、
およびそれが 0 であるという条件を元の の条件に書き直すこと、
が目標となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-19