6 漸化式
(28) の積分は、すべて
上の積分なので、
その積分は、(29) の
に関する平方完成の計算に帰着される。
それを計算するために、係数、特に
の 2 次の項の係数に
対する漸化式を作る。
まず、(29) を に関して平方完成してみる。
であることに注意する。
(29) の右辺を
と
書くことにすると、そこに含まれる に関する項は
のようになり、
この右辺の最後の項が での積分後に残って、
の項として追加されることになる。
よって、 のうち の平方部分を除いたものを
とすると、
で、 は、
となり、 での積分は の平方完成部分の積分が
と定数になり、指数には だけが残る。
次は を に関して平方完成を行う、という
計算になる。
この平方完成部分以外の項
の係数に関する
漸化式を作る。
(31)
とすると ()、 に対しては、
(32)
で、 であれば上の計算と同様に、
(33)
となり (
)、 の係数は、
(30) と同様に、
となり、これらが係数に関する ( に関して逆向きの) 漸化式となる。
なお、
(37)
と定義すると、 に対しては自然に
、
となり、
に関する漸化式 (34) は
に対する (35) に含まれることになるから、
(35) は、
(38)
と書くことができる。以降主にこの漸化式を考えることにする。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-19