2 標準化と独立性
各確率変数 () は正規分布に従うが、
それぞれの平均と分散は違っていてもよいとする。すなわち、
(2)
であるとするが、先にこれを標準化する。
(3)
となるので、これを使って
を表す。
(1) を行列化し、
(4)
とする。
一般に 行列 , 次元列ベクトル
, 次元列ベクトル
に対して、
(5)
と書くことにすれば、(3) より
は
となり、これにより、
は
と書けるが、
(6)
とすると、
となるので、
は
(7)
と
の一次式として表されることになる。
は の一次式なので、
が独立なら
も (
の 次元分布に関して) 独立で、
逆に
が独立なら、
も (
の 次元分布に関して) 独立となる ([1])。
よって、元の問題は、, の
標準正規分布に関して独立性の判定ができれば、
一般の正規分布の場合でも (7) の形にしてから
標準正規分布に関して判定を行えばよいことになる。
よって、以後は , () とする。
一般に、連続確率変数
が独立であるとは、
次元確率変数
の
密度関数
が、
各 の密度関数 を用いて
となることであるが ([1])、
これは、任意の
に対して、同時確率が
(8)
のように各 に対する確率の積で表される、と言い変えることもできる。
本稿では、上で見たように
としてよいので、
より、
は
(9)
となる。この条件の元で、
(10)
となるかどうか、そしてそうなるための条件を考えることが本稿の目標となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-19