7 証明その 4

今度は、 $(a+0,0/0,\infty)$ の場合の証明を紹介する。

この場合は、4 節の議論のうち、 (2) の部分が、以下のように変わる:
$I_1=\infty$ より、任意の $N>0$ に対して、$a<x<a+\delta$ である すべての $x$ に対して

\begin{displaymath}
\frac{f'(x)}{g'(x)}>N\end{displaymath} (11)

となるような $\delta>0$ が取れる。あとは、 コーシーの平均値の定理により、 $a<x<a+\delta$ である $x$ に対して
\begin{displaymath}
\frac{f(x)}{g(x)}
=\frac{f(x)-f(a)}{g(x)-g(a)}
=\frac{f'(p)}{g'(p)}
>N
\hspace{0.5zw}(a<p<x)
\end{displaymath}

となるので、これで $I_0=\infty$ が言える。

同様にすれば、$r=-\infty$ の場合も同様に言える。 さらに、4 節、5 節、6 節 で証明したもの (3 + 2 + 16 = 21 通り) に対しても、 同様にすればいずれも $r=\infty$, $-\infty$ の場合のものに 書き換えることができる。 例えば、6 節の議論は、

\begin{displaymath}
\frac{f'(x)}{g'(x)}>N\end{displaymath}

が仮定なので、コーシーの平均値の定理により、 $a<x<y_0<a+\delta$ に対して、
\begin{displaymath}
\frac{f(x)-f(y_0)}{g(x)-g(y_0)}=\frac{f'(p)}{g'(p)}>N
\hspace{0.5zw}(x<p<y_0)
\end{displaymath}

となり、
\begin{displaymath}
\frac{f(x)}{g(x)}
> N\,\frac{1-g(y_0)/g(x)}{1-f(y_0)/f(x)}
> N\,\frac{1/2}{3/2}
= \frac{N}{3}
\end{displaymath}

となるので $I_0=\infty$ となることが言える。

これで、残り 42 通りが全部示されることになる。

竹野茂治@新潟工科大学
2015年7月20日