なお、 の極 の位数が () である場合、 そこでの留数 は、
で計算でき、位数が 1 の場合は易しい。まずは分母が 1 次式の積に因数分解される場合。
この場合、 の極は で、いずれも 1 位なので、通常は、 を部分分数分解して , , の 線形結合にしてから求めるが、この場合はこの留数計算の方が 部分分数分解より少し易しいかもしれない。
次は、分母が実数の範囲では 1 次式に因数分解できない 2 次式の場合。
これも、極 は 1 位なので極限は易しいが、 複素数の計算が必要になる。
次は、分母が 1 次式の累乗の形の場合。
この場合、極 は位数が 4 となる。 なお、そこでの の留数は 0 だが、 の留数は 0 ではない。 (12) を用いると、この の場合、微分する関数の分母がなくなるので ライプニッツの公式を使えば微分はそれほど面倒ではないが、 さらに分母に などがついていると微分の計算も だいぶ面倒になる。
留数を使わなければ、通常は として、
なお、上では微分を利用して留数を求めたが、 を利用して ローラン展開を直接考えることもできる。
最後は、部分分数分解後、および標準変形後に残る一番厄介な形。
とりあえず の場合を考えるが、この場合極 は 2 位なので、通常は多分、
また、分母の次数の が増えた場合は、極の位数があがるので、 微分しなければいけない階数も上がり、 留数計算はだいぶ面倒になりそうな気がする。
通常の方法でも、 の場合は , () の ラプラス変換が必要になるので、上のように漸化式なしで一からやろうとすると かなり大変だが、漸化式を使えば比較的楽に計算できるはずである。
竹野茂治@新潟工科大学