方針としては、 基本的に (3) の右辺をラプラス変換し、 それが に等しくなることを示すのであるが、 その前に、留数定理を用いて (3) の右辺を 複素積分の形に書き直すことから始める。
各 は孤立している点なので、 それぞれを中心として、 いずれも交わらない円 を 平面に書くことができる。 その向きを左に取れば留数定理より、
となるから (3) の右辺は、 と書けることになる。 さらに、 はこの を除いては正則なので、 この すべてを内部に含む大きな円 を取れば (5) は、 となる。この が であるとして、 この (6) のラプラス変換を考えると、
今、 を十分大きく取ることで、原点中心、半径 の円
が と をいずれも内部に含むようにする。
この場合、 の極はこの 内にすべて含まれることになるので、
(7) より
この の内部では、 は に 1 位の極を持つだけなので、 コーシーの積分定理により
となる。よって、(8), (9) より、 がわかる。 この右辺の値は には関係ない値であるが、 この左辺の値は実は 0 であることを以下に示す。上の積分を として に関する積分に直すと、
なお厳密に言えば、 のラプラス変換の存在、 (7) のラプラス変換と積分の順序交換 (2 つ目の等号)、 (11) の右辺の積分が 0 に収束すること、 以外での でも となること、 などの証明が必要なのであるが、 ほぼ上のような説明で理屈は納得できるのではないかと思う。
竹野茂治@新潟工科大学