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2 差分近似解
外力項のない方程式
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(6) |
の初期値境界値問題
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(7) |
の解は,
-方向の積分による平均
を保存するため,
のとき
という定数
解に収束し, またその収束の速さは
となることが知られて
いる[2]. これにより, 任意の初期値に対して,
周期的外力を与えた方程式 (1) の
初期値境界値問題 (7) の一意に定まる
エントロピー解は
のときに周期解に近づいていく
と予想される.
よって数値計算では初期値は適当に与えて, その近似解の
での近似解の値
の,
を大きく
していったときの様子を調べてみることにした.
ただし, この方法では不安定な周期解を得ることはできない.
近似解は, その収束性が保証されていて[1],
周期解の存在証明にも使用されている[3] 段階的な
Lax-Friedrichs 型の差分近似
を用いた. また, 境界の所では境界条件 (7)
を考慮して,
を
-方向に周期拡張して計算した.
この差分近似は計算精度はそれほどよくはないが,
計算が楽であり, 安定であることから今回のような漸近的な解析には
用いやすい. ただし, その誤差は
の形で発生し, この項の持つ粘性効果のために解が平滑化される.
Courant-Friedrichs-Lewy 条件と呼ばれる差分幅に対する安定化条件
を与えるために,
を小さくすればこの粘性効果は少なくなるが,
周期解の数値解析には影響を及ぼす. この効果については
4 節で述べる.
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Shigeharu TAKENO
2001年 7月 20日