が 上の有界変動関数列で、 の値とその全変動が一様有界、すなわち
この定理の証明はそれほど難しいものではないが、
有界変動関数の性質がいくつか使われるので、
証明は B 節で紹介する。
定理 5.2 の (5.28), (5.29) より、 は を固定して の関数と見ると、 この Helly の定理 6.1 の条件を満たしていることがわかる。 よって、各 に対して、 のある部分列が に関して各点収束することになる。 しかし、その部分列は 毎に異なる可能性があり、 共通に取れるとは限らないので、 それを定理 5.2 の (5.30) と 対角線論法によって結びつける。
まず、 の、稠密で可算な部分集合 を取る (例えば正の有理数全体とすればよい)。 Helly の定理 6.1 により、 に対して、0 に収束する列 を取り、 それに対する近似解 が ある有界変動関数 に収束するようにできる:
そして、 に対しては、 再び Helly の定理 6.1 により この の部分列 を取って、
このとき、 という列を考えると、 に対しては
(6.87)
次に、
に対する収束性を考える。
定理 5.2 の (5.30) より、
任意の正数 に対して、
(6.89)
(6.90)
さらに、 は、 各 に関して Helly の定理 6.1 の条件を満たすから、 のある部分列 ( 毎に変わりうる) と、ある有界変動関数 が取れて
(6.91)
(6.92)
竹野茂治@新潟工科大学