に関する定理 5.1 の仮定の下、
には無関係なある正の定数 , が存在して、
次が成り立つ。
(5.29) は、定理 5.1 の 1. より OK. また (5.28) は、 に横たわる唯一の -曲線 を考えれば、 (5.7) より に対して
(5.30) は、おおまかには以下の方針に従って証明する:
ただし、(5.30) と (5.33) には少し違いがあるが、 実際にはこの方針は離散的に少し修正すべきところがあり、 正確には (5.30) のようになる。 なお、この方針の 1. の部分については [Glimm] (および [Smoller]) のやり方ではなく、 [Dafermos] による少し特別な -曲線を用いた方法を紹介する。 また、(5.32) は、 ここでは実際にはこれとは少し異なるその離散バージョンを用いるのであるが、 ここでの証明の参考になると思うので (5.32) の証明も A 節で紹介する。方針 1. を示すために、 ここでは今までとは異なる、 幅にとどまらない有限長の -曲線を考える。
として構わないのでそのようにし、しばらく は固定して考える。 今 , (, は奇数) とすると、 で、 は , のいずれかになる。
まず の場合を考える。 このとき、 を含むセル 内の を頂上に持ち、 そこから山型に まで降ろした有限長の -曲線を とし、 の範囲のこの山型の の内側にある -曲線 ( のギザギザな底辺) を とする (図 5.7)。
この 曲線を左右に無限に延長して 内に入る -曲線 に対し、 (5.18) よりRiemann 問題の解の値は、原点を出る半直線上では一定であるから、 内での の値も 底辺の中点 から出る線分上一定であり、 よって、この点と とを結ぶ直線と との 内の交点を とすれば、 となる。
同様に、 と を結ぶ直線と との 内の交点を とすれば、 となる。
, はそれぞれ , 上にあり、 また と の共通の左端の一つ右隣りの頂点を とすれば、 (5.7) より、
(5.85)
次に、 を動して考えてみると、 この (5.34) は である間は同じ式が成り立ち、 が隣りのセルに移れば ( が一つ変われば) この式の もこの形のまま横に 平行移動したものになる。 よって、今 , , によって決定する (5.34) の -曲線 を と書くことにすると、 (5.34) は
(5.86)
次は、 のときを考える。この場合は も も 同じセル 内に入り、 は、 と と とを結ぶ 2 本の線分からなる有限 -曲線となる。これに対して、
次は、方針 2. であるが、 (5.35) を で積分すると、
竹野茂治@新潟工科大学