4 近似解

本節では、補償コンパクト法で用いられる近似解について簡単に説明する。 補償コンパクト法で収束が証明されている近似解には、 などがあるが、いずれも次のような性質を持つことが必要である。 以下、その近似解を $U=U^\varepsilon (t,x)$ とし、 $\varepsilon \rightarrow +0$ の極限が (3) の弱解となると期待されるものとする。
  1. 一様有界性
    \begin{displaymath}
0\leq\rho^\varepsilon (t,x)\leq M_1,\hspace{1zw}\vert u^\va...
...^\varepsilon (t,x)=\rho^\varepsilon (t,x)u^\varepsilon (t,x))
\end{displaymath}

  2. 弱解への近似性
    任意の $\phi(t,x)\in C_0^1([0,\infty[\times R)$ に対して、 $\varepsilon \rightarrow +0$ のとき
    \begin{displaymath}
\int\hspace{-6pt}\int _{t>0}
\{U^\varepsilon (t,x)\phi_t(t...
...t,x))\phi_x(t,x)\}dtdx
\rightarrow -\int_R U_0(x)\phi(0,x)dx
\end{displaymath}

  3. コンパクト性
    Darboux の公式 (14), (15) で与えられる任意の弱エントロピー対 $(\eta,q)$、 および $]0,\infty[\times R$ 内の任意の有界な開集合 $\Omega$ に対して
    \begin{displaymath}
\{\eta(U^\varepsilon (t,x))_t+q(U^\varepsilon (t,x))_x\}_{\varepsilon >0}
\end{displaymath}

    が、 $H^{-1}_{\mathrm{loc}}(\Omega)$ のあるコンパクト集合に含まれること
  4. エントロピー条件
    任意の非負の $\phi(t,x)\in C_0^1(]0,\infty[\times R)$、 および凸な弱エントロピーを持つ任意のエントロピー対 $(\eta,q)$ に対して
    \begin{displaymath}
\limsup_{\varepsilon \rightarrow +0}\int\hspace{-6pt}\int _...
...,x))\phi_t(t,x)+q(U^\varepsilon (t,x))\phi_x(t,x)\}dtdx\geq 0
\end{displaymath}

この 1. から $U^\varepsilon $, $F(U^\varepsilon )$$\varepsilon $ に関して一様に有界なので、 ある部分列 $\varepsilon _n\rightarrow +0$ ( $n\rightarrow\infty$) がとれて

\begin{eqnarray*}U^{\varepsilon _n}(t,x) & \rightarrow & U_1(t,x)\hspace{1zw}L^\...
..._1(t,x)\hspace{1zw}L^\infty(]0,\infty[\times R) \mbox{weak}\ast \end{eqnarray*}


という極限 $U_1$, $F_1$ が存在することがわかるが、
\begin{displaymath}
F_1(t,x)=F(U_1(t,x))\hspace{1zw}\mathrm{a.e.}
\end{displaymath}

であるかどうかは自明ではなく、補償コンパクト法はこれを示すのに用いられる。 1., 3. は補償コンパクト法で必要となる性質で、 2., 4. はその極限 $U_1(t,x)$ がエントロピー解であることを示すのに用いられる。 2., 4. は近似解である以上当然満たさなければならないが、 1., 3. は必ずしも近似解であることとは関係ない。 実際、弱解の別の存在証明で使われる Glimm の差分は (多分) 3. を満たさない。

それは、Lax-Friedrichs の差分や人工粘性法による近似解は 1., 3. のように 一様に「おとなしい」、つまり単調性が保証され、 微分もそれほどあばれないような近似解であるのに対し、 Glimm の差分は元々弱解が持つ特異性を損わないように作られたものだからである。 逆に Lax-Friedrichs の差分や人工粘性近似解は弱解の特異性をなまらせる性質があり、 弱解の特異性を調べたいような場合は、 理論上も応用上 (数値計算等) もあまり適さない。

本節では、人工粘性近似解について上の性質を簡単に説明するが、 むしろ初期値に対する制限を緩くできる Lax-Friedrichs や Godunov の差分近似解については、[4],[15] を参照のこと。

人工粘性近似解は、以下の方程式の解 $U=U^\varepsilon (t,x)$ である。

\begin{displaymath}
\left\{\begin{array}{l}
\rho_t+m_x=\varepsilon \rho_{xx}\\...
...{5} \rho^{5/3}\right)_x=\varepsilon m_{xx}
\end{array}\right.\end{displaymath} (24)

\begin{displaymath}
\lefteqn{(\rho(0,x),m(0,x))=(\rho_0^\varepsilon (x),m_0^\varepsilon (x))}\end{displaymath} (25)

ここで $\rho_0^\varepsilon (x)$, $m_0^\varepsilon (x)$ は、 初期値 $\rho_0(x)$, $m_0(x)$ を滑らかに近似したものであり、 $\varepsilon \rightarrow +0$ のときに $\rho_0(x)$, $m_0(x)$ に (弱) 収束するようなものである。

初期値 $U_0(x)={}^T\!(\rho_0(x),m_0(x))$ は、 次のような有界性と $x$ に関する遠方での減衰性を持つとする。

\begin{displaymath}
0<\rho_0(x)\leq M_1,\hspace{1zw}\vert u_0(x)\vert\leq M_2
\hspace{1zw}(m_0(x)=\rho_0(x)u_0(x))\end{displaymath} (26)

\begin{displaymath}
\int_R\hat{\eta}_\ast(U_0(x))dx\leq M_3\end{displaymath} (27)

ここで、 $\hat{\eta}_\ast(U)$ は、$\eta_\ast(U)$ を定ベクトル $\bar{U}$ で (1 階微分まで) 0 になるようにしたようなもので、
\begin{displaymath}
\hat{\eta}_\ast(U)
= \eta_\ast(U)-\eta_\ast(\bar{U})-\nabla_U\eta_\ast(\bar{U})(U-\bar{U})\end{displaymath} (28)

である。これは、
\begin{displaymath}
\hat{q}_\ast(U)
= q_\ast(U)-q_\ast(\bar{U})-\nabla_U\eta_\ast(\bar{U})(F(U)-F(\bar{U}))
\end{displaymath}

とエントロピー対となる。 (28) から、 $U=\bar{U}$ では $\hat{\eta}_\ast(U)$ はほぼ $O(\vert U-\bar{U}\vert^2)$ であるから、条件 (27) はほぼ
\begin{displaymath}
\rho_0(x)-\bar{\rho}\in L^2(R),\hspace{1zw}
u_0(x)-\bar{u}\in L^2(R)
\end{displaymath}

を意味する。正確には、
$\displaystyle \hat{\eta}_\ast$ $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{1}{2} \rho(u-\bar{u})^2
+ \frac{9}{10} \rho^{5/3}-\frac{3}{2} \bar{\rho}^{2/3}\rho
+ \frac{3}{5} \bar{\rho}^{5/3}$  
  $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{1}{2} \rho(u-\bar{u})^2
+\int_{\bar{\rho}}^\rho d\alpha\int_{\bar{\rho}}^\alpha\beta^{-1/3}d\beta$ (29)

である。

初期値の近似である $U^\varepsilon (x)$ も、 性質 (26), (27) を 損わないように作り、$\varepsilon $ に一様に

\begin{displaymath}
0<\rho_0^\varepsilon (x)\leq M_4,\hspace{1zw}\vert u_0^\varepsilon (x)\vert\leq M_5\end{displaymath} (30)

\begin{displaymath}
\int_R\hat{\eta}_\ast(U_0^\varepsilon (x))dx\leq M_6\end{displaymath} (31)

であるようにする。

方程式 (24) の主要部は $U_t-\varepsilon U_{xx}$ であるから、 これは半線形放物型方程式であり、 よって初期値が滑らかならば解 $U=U^\varepsilon (t,x)$ も滑らかになることが期待される。 ただし、(24) は $\rho=0$ に特異性を持っているから、 $\rho>0$ である必要がある。 半線形放物型方程式の解の存在定理については偏微分方程式の成書 (例えば [10] 等) を参照のこと。また、 (24), (25) に対しては、 初期密度が $\rho^\varepsilon (x)\geq\delta_1>0$ であれば、 その解 $\rho^\varepsilon (t,x)$ $\rho^\varepsilon (t,x)\geq\delta_2(t)>0$ となるような $\delta_2(t)$ が取れることがアプリオリに示される。 それについては、[1],[5] を参照のこと。

ここでは、滑らかで、$x$ の遠方では $\bar{U}$ に十分速く収束するような解 $U^\varepsilon (t,x)$ が存在するとして、必要な性質を示す。 まず 1. の有界性を考えよう。 今、

\begin{displaymath}
\Sigma(A,B)=\{(w,z); w\leq A, z\geq B, w\geq z\}
\end{displaymath}

三角領域 と呼ぶことにする。
図 3: $\Sigma (A,B)$
\includegraphics[height=0.25\textheight]{fig41.eps}

三角領域上 $\rho$, $u$ は有界であり、逆に $\rho$, $u$ の有界な範囲

\begin{displaymath}
D=\{(w,z)=(u+3\rho^{1/3},u-3\rho^{1/3}); 0\leq \rho\leq \bar{M}_1,
 \vert u\vert\leq \bar{M}_2\}
\end{displaymath}

は、ある $A$, $B$ に対し $D\subset\Sigma(A,B)$ のように三角領域に含まれる ( $A=\bar{M}_2+\bar{M}_1^\theta/\theta$, $B=-A$)。

1. は次の命題により示される ([3])。


命題 1 (Chueh-Conley-Smoller)

すべての $x$ に対して $U_0^\varepsilon (x)\in \Sigma(A,B)$ で、 かつ $\bar{U}$$\Sigma (A,B)$ の内点となるように $A$, $B$ を取ると、 $U^\varepsilon (t,x)\in\Sigma(A,B)$ となる。


証明

方程式 (24) を $w$, $z$ について書き直すと、 以下のようになる。

\begin{displaymath}
\left\{\begin{array}{ll}
w_t+\lambda_2 w_x & = \displaysty...
...repsilon (1+\theta)\rho^{\theta-2}\rho_x^2
\end{array}\right. \end{displaymath} (32)

$w=w^\varepsilon (t,x)\leq A$, $z=z^\varepsilon (t,x)\geq B$ を示せばよいが、 $x$ の遠方での値 $\bar{U}$$\Sigma (A,B)$ の内点だから、 $w^\varepsilon (t,x)\geq A$ となるような $w^\varepsilon $ の値は有限の $x$ で取るはずだから $w^\varepsilon $$x$ に関する最大は $x$ に関して極大となっているはずである。 今、$x=x_0$ $w^\varepsilon (t,x)$$x$ に関して極大になっているとすると、
\begin{displaymath}
w^\varepsilon _x(t,x_0)=0,\hspace{1zw}w^\varepsilon _{xx}(t,x_0)\leq 0
\end{displaymath}

であるから、(32) より
\begin{displaymath}
w^\varepsilon _t(t,x_0)\leq -\varepsilon (1+\theta)\rho^{\theta-2}\rho_x^2\leq 0
\end{displaymath}

となるので、 $w^\varepsilon _x(t,x_0)=0$, $w^\varepsilon _t(t,x_0)\leq 0$ より、 ($t,x_0$) から $t$ の増加方向へは、$w^\varepsilon $ はどの方向にも増加できない。 よって $w^\varepsilon $$A$ を越えることができないことが言える。

同様にして $z^\varepsilon (t,x)\geq B$ も言える。


この命題の $A$, $B$ は、 仮定 (30) より $\varepsilon $ とは無関係に取れるから、 この命題 1 により近似解の性質 1. が示されたことになる。 なお、この命題 1 の性質により、 三角領域 $\Sigma (A,B)$不変領域 と呼ばれることもある。

次に、他の性質を導くのに必要な不等式を求める。 エントロピー対 ($\eta(U),q(U)$) に $U=U^\varepsilon (t,x)$ を代入したものを

\begin{displaymath}
\eta^\varepsilon (t,x)=\eta(U^\varepsilon (t,x)),\hspace{1zw}
q^\varepsilon (t,x)=q(U^\varepsilon (t,x))
\end{displaymath}

のように書くこととすると、これは
\begin{displaymath}
\eta^\varepsilon _t+q^\varepsilon _x
= \varepsilon \eta_{...
...!U^\varepsilon _x\nabla_U^2\eta(U^\varepsilon )U^\varepsilon _x\end{displaymath} (33)

を満たす。 ここで、 $\nabla_U^2\eta(U)$$\eta(U)$ の 2 階微分からなるヘッセ行列を表す。


補題 2

$U\in\Sigma=\Sigma(A,B)$ と Darboux の公式 (14) による $\eta$ に対し、次が成り立つ。

\begin{displaymath}
\left\{\begin{array}{l}
\displaystyle \vert\nabla_U\eta(U)...
...\vert X\vert^2,
\hspace{1zw}c_3(\Sigma)>0
\end{array}\right. \end{displaymath}

ここで、 $c_1(\Sigma,\phi)$, $c_2(\Sigma,\phi)$$\Sigma$, $\phi$ にのみ依存する定数、 $c_3(\Sigma)$$\Sigma$ にのみ依存する定数を表す。


証明は容易であるが省略する。 詳しくは [4],[15] を参照のこと (ただし [15] のこの補題の証明には少し誤りもある)。

今、(33) のエントロピー対を ( $\hat{\eta}_\ast,\hat{q}_\ast$) としたものを $]0,T[\times R$ で積分すると、 $U^\varepsilon (t,x)$$x$ の遠方での $\bar{U}$ への漸近が十分速いという仮定の元、 次が成り立つ。

\begin{displaymath}
\int_R\hat{\eta}_\ast(U^\varepsilon (T,x))dx
-\int_R\hat{\et...
...x\nabla_U^2\hat{\eta}_\ast(U^\varepsilon )U^\varepsilon _x
dx
\end{displaymath}

(29) より $\hat{\eta}_\ast\geq 0$ であるから、(31) の仮定、 および $\nabla_U^2\hat{\eta}_\ast=\nabla_U^2\eta_\ast$、 補題 2 より次が言える ( $\Sigma=\Sigma(A,B)$)。
\begin{displaymath}
\varepsilon \int\hspace{-6pt}\int _{t>0}{}^T\!U^\varepsilon...
...
\int_R\hat{\eta}_\ast(U_0^\varepsilon (x))dx
\leq c(\Sigma)\end{displaymath} (34)

\begin{displaymath}
\varepsilon \int\hspace{-6pt}\int _{t>0}\vert U^\varepsilon _x\vert^2 dx
\leq c(\Sigma)\end{displaymath} (35)

次は、これらを用いて 3. のコンパクト性を示す。 それには、次の命題を用いる。


命題 3

有界な開集合 $\Omega\subset R^2$$1<p<2<r$ に対して次が成り立つ。

  1. ( $C_0(\Omega)^\ast$ の有界集合) $\subset$ ( $W^{-1,p}(\Omega)$ のコンパクト集合)
  2. (Murat の補題)
    ( $W^{-1,p}(\Omega)$ のコンパクト集合) $\cap$ ( $W^{-1,r}(\Omega)$ の有界集合)
    $\subset$ ( $H^{-1}_{\mathrm{loc}}(\Omega)$ のコンパクト集合)


今、 $\Omega\subset ]0,\infty[\times R$ を有界な開集合とし、 $(\eta,q)$ を (14), (15) で与えられるエントロピー対とする。 このとき、 $\psi(t,x)\in C_0^1(\Omega)$ に対して、

\begin{displaymath}
T^\varepsilon (\psi)=\int\hspace{-6pt}\int _\Omega(\eta^\varepsilon _t+q^\varepsilon _x)\psi dtdx
\end{displaymath}

とし、この作用素 $T^\varepsilon  (=\eta^\varepsilon _t+q^\varepsilon _x)$ の評価を考える。

部分積分と (33) により、これを

\begin{displaymath}
T^\varepsilon (\psi)
=
-\varepsilon \int\hspace{-6pt}\int _\...
...on _x\psi dtdx
=
T_1^\varepsilon (\psi)+T_2^\varepsilon (\psi)
\end{displaymath}

のように 2 つに分けると、 補題 2 より
\begin{displaymath}
\vert\eta^\varepsilon _x\vert
= \vert\nabla_U\eta(U^\varepsi...
...silon _x\vert
\leq c_1(\Sigma,\phi)\vert U^\varepsilon _x\vert
\end{displaymath}

となるので、 $T_1^\varepsilon $ は (35)、 および Schwarz の不等式、Hoelder の不等式により
\begin{eqnarray*}\vert T_1^\varepsilon (\psi)\vert
&\leq &
c(\Sigma,\phi)
\le...
...hi,\Omega)\sqrt{\varepsilon }\Vert\psi\Vert _{W_0^{1,p'}(\Omega)}\end{eqnarray*}


となる。なお、$p'$$p'=p/(p-1)>2$ で、$\Omega$ は有界であることに注意する。 また、例えば $c(\Sigma,\phi)$ は、$\Sigma$, $\phi$ にのみ依存する有限な定数を表すものとする (以後、断らずにこのように書き表す)。 よって、 $\sqrt{\varepsilon }\rightarrow 0$ より、 $T_1^\varepsilon $ $W^{-1,p}(\Omega)$ のあるコンパクト集合に含まれることになる。

一方、 $T_2^\varepsilon $ は補題 2, (34) より

\begin{displaymath}
\vert T_2^\varepsilon (\psi)\vert
\leq
\varepsilon \int\hspa...
...x\vert\psi\vert dtdx
\leq
c(\Sigma)\Vert\psi\Vert _{C(\Omega)}
\end{displaymath}

となるから $T_2^\varepsilon $ $C_0(\Omega)^\ast$ で有界となり、 命題 31. により $T_2^\varepsilon $ $W^{-1,p}(\Omega)$ のあるコンパクト集合に含まれる。 よって $T^\varepsilon =T_1^\varepsilon +T_2^\varepsilon $ $W^{-1,p}(\Omega)$ のあるコンパクト集合に含まれることがわかる。

一方、部分積分により

\begin{displaymath}
T^\varepsilon (\psi)=-\int\hspace{-6pt}\int _\Omega(\eta^\varepsilon \psi_t+q^\varepsilon \psi_x)dtdx
\end{displaymath}

となるので、$U^\varepsilon $ の有界性と $r'=r/(r-1)>1$ から
\begin{displaymath}
\vert T^\varepsilon (\psi)\vert
\leq c(\Sigma,\phi)(\Vert\ps...
...\leq c(\Sigma,\phi,\Omega)\Vert\psi\Vert _{W_0^{1,r'}(\Omega)}
\end{displaymath}

が言える。よって $T^\varepsilon $ $W^{-1,r}(\Omega)$ で有界となる。 ゆえに命題 32. により $T^\varepsilon $ $H^{-1}_{\mathrm{loc}}(\Omega)$ のあるコンパクト集合に含まれることが言えたことになる。

残りの性質 2., 4. は、 上の計算と同様にして、補題 2、 (35) などから容易に示される。

竹野茂治@新潟工科大学
2010年1月6日