この場合、1 回の手順では、5 節で
述べたのとは異なり、1 回の配分では元の増加列は減少列へと変化する:
よって、方法 A の場合に偶数回で終了する場合には 方法 B でも偶数回で整列化でき、 奇数回で終了する場合には、方法 B で同様のことを行なうと 降順になってしまうことになる (正確には B 列ではそうではないが少なくとも A 列ではそうなる)。 その場合は、もう 1 回、一つの山にだけ配分すれば 正しく昇順に直せることになる。
これだけみると、方法 B の方が方法 A より手数がかかりそうに
見えるかもしれないが、実際にはそうではない。
例えば、丁度逆順の並び ,
,...,3,2,1 を考えればわかるが、
これは方法 A では最悪の手順数が必要となるが、
方法 B なら 1 つの山に配るだけで 1 回で終了する。
つまり、方法 B の場合は、増加列ブロック数だけでなく、
減少列ブロック数 によっても最短手順が決まることになる。
増加列ブロック数を 、減少列ブロック数を
とすると、
これらはそれぞれ減少箇所、増加箇所より 1 ずつ大きい。
減少箇所、増加箇所はもちろん同じ場所にはなく、
よってそれらの和は
であるから、
なお、減少列ブロック数は、 A 列を逆転 (前後を反対にした列) の増加列ブロック数に等しく、 実際の作業でも、実はこの逆転させた列の増加列で考えることになる。
容易にわかるように、減少列ブロック数で考えた場合は、 増加列ブロックで考えるのとは逆で、 これが方法 A で奇数回で終わるブロック数ならば、 方法 B では同じ回数で昇順にでき、 方法 A で隅数回で終わるブロック数ならば、 方法 B では同じ回数では降順になってしまうので もう 1 回必要となる。
よって、この場合は、
方法 B の場合、
これが最適な回数であることも容易に示される。 でそれを説明する。
例えば、A 列の 1,2,...,
は、方法 B の 1 回の操作では
高々 2 つの減少列ブロックからなる。
よって、3 つ以上の減少列ブロックを含む A 列の最終形は、
方法 B 1 回では元には戻せない。
2 回では高々 4 つの増加列ブロックからなる列になるので、 5 つ以上の増加列ブロックを持つものは方法 B 2 回では元には戻せない。 このように考えれば、命題 6 の評価が 最適であることがわかる。
方法 B の場合、昇順への整列化には 最低でも命題 6 の回数だけ必要