4 サインの巾乗の微分
(18) の被積分関数の分子の
は、
[1] で見たように、以下のような形になる。
が奇数の場合は
の線形結合で表される (
と
の偶・奇は一致する)
が偶数の場合は
と 1 の線形結合で表される (
と
の偶・奇は一致する) が、
ならば 1 の線形結合は含まれない
補題 1 により、
に対して、
となるので、(18), (19), (20) と上を組み合わせれば、
が奇数の場合は
は収束し、
(19) でその値も計算でき、
が偶数の場合は
ならば収束して
(20) で計算できるが、
の場合、すなわち
で
が偶数の場合は、
により
は発散することがわかる。
これで
の収束性もわかったことになる。
すなわち、
が非整数の場合、(3) の元、
(
) のときは
は収束、
(
) のときは、
が奇数ならば収束するが、偶数ならば発散する。
あとは、[1] と同様に
の値を計算する式を作ることにする。
[1] の計算により、以下がわかる (
,
、詳細は [1] を参照)。
これを使うと、例えば
,
がともに奇数の場合は、
(18), (20), (21) より、
となるが、ガンマ関数に対する有名な公式

(
25)
と、
を用いると、
となる。よって、

(
26)
となる。ここで、
であり、
(
) は奇数なので、
より
と書ける。
また、すべての自然数
と実数
に対して
を、
として
と定義すると、(26) は、
と書くこともできる。さらに、今の場合
なので、
となるので、

(
27)
と、
,
,
,
を用いない形に表すこともできる。
以下、他の場合も同様に変形を行う。
,
の場合は、(18), (20), (22) より、
となるが、
より、
なので、

(
28)
となる。
,
の場合は、(18), (19), (23) より、
となるが、
より、
なので、

(
29)
となる。
最後に
,
の場合は、(18), (19), (24) より、
となるが、
より、
なので、

(
30)
となる。結局、(27), (28), (29), (30) より、

(
31)
となり、
の偶・奇に関わらない形に書けることになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-12-24