実際には 2 節で述べたように、 吹奏楽器としての自然倍音と本稿の共鳴管としての自然倍音はずれが ある可能性があり、 [7] によれば楽器によってはそれが半音程度になることも あるそうなので、 その点では本稿のホーン方程式による管としての共鳴周波数の考察は、 残念ながらあまり意味はないかもしれない。
個人的には、吹奏楽器としての自然倍音列を解析すること、 および近似としてのホーン方程式 (3) ではなく (1) の非線形方程式の方で、 定在波に対応するような周期解の存在や 吹奏の気流が自然音階列に与える影響などを考察するのが 本来の目標であるが、先はかなり遠そうである。
竹野茂治@新潟工科大学