楽器のように断面が一様でない管中の気体の 1 次元的な方程式 (連立偏微分方程式) は以下の通り ([9])。
ここで、 は時刻、 は 軸に沿った座標、 (未知関数) は気体密度、 (未知関数) は気体速度、 (未知関数) は単位面積当たりの気体圧力、 (既知関数) は 軸に垂直な面での での断面積とする。 ただし、気体の粘性は無視しているし、 が大きくなりすぎると気体を 1 次元的な運動と見ることが できなくなるので、方程式の解と実際の現象とのずれが大きくなるだろう。は のみの関数と考え、 とすると、 音速 は、
となる。本稿では、この は一定であると考え、 また楽器管内の流速は に比べだいぶ小さいと考え (多分音速の数パーセント程度)、(1) の の項は無視する。 こうすると (1) より、なお、ホーン方程式 (3) は圧力 を未知関数としているが、 高校の物理では、縦波は圧力ではなく「変位」を未知関数として 説明することが多い。 変位と圧力では、定在波の「腹」と「節」の関係が逆になるので 注意が必要である。
竹野茂治@新潟工科大学