7 対称性
は、A, B のどちらが上であるかを考えないゲーム差の平均値であるから、
互角のところ () で対称になっていて、
またその互角のところではゲーム差が 0 に近いことが期待されるので、
で最小値を取ることが予想される。
この節ではそれを考えてみる。
すなわち、以下の 2 つを示す。
- は に関して対称、すなわち
は に関して偶関数となる
- は
では減少、
では増加する。
よって で最小値を取り、
で最大値 を取る
最後の最大値 は、 が必ず勝つのであれば当然ゲーム差は となるだろう。
5 節の (14) より、
これはいずれも について考えればよいことがわかる。
ここでは (15) を用いて考えることにする。
とすると であるから、
となるので、これは明らかに の偶関数となる ( の代わりに を代入しても不変)。
よって (15) より は確かに の偶関数となる。
次に (15) を の式とみて で微分する。 より
となるが、今
と書くことにすると、これは
と書ける。
よって、(15) より、
と変形すると、 の係数 は 5 節と同様の変形により、
と書き直せる。同様に、
となるので、結局
となる。ここで、 は
に対し、
と因数分解され、 以外の部分は では正であり、
は で正、 で負なので、
この節最初の主張の 2. の増減の部分が言えたことになる。
の値は、例えば (6) に , を代入すれば
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年7月27日