4 互角の場合の符号無しゲーム差の平均
次に の方を考える。こちらは に比べてかなり厄介である。
(4) と同様に、
|
(6) |
であるが、絶対値を外すために、
が偶数の場合と奇数の場合に分けて考えることにする。
まず、 の場合は、
となるが、この後ろの和で とすると
なので、
同様に、 の場合は、
となる。例えば、 のときは、
となるが、いくつか計算してみると、
のようになることがわかる。実は一般に次が言える。
(12) は、5 節で
より一般のものを示すから、ここでは (11) を示そう。
そのために、二項係数に成り立つ次の関係式を用いる。
|
(13) |
ただし、 および のときは
とする。
これは、二項係数に関するパスカルの三角形の元となる関係式である。
(9) にこの (13) を用いると、
となり、これは (10) により に等しいから (11) が言えたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年7月27日