なお、これを見てもわかるが、(2) の
特定の に特定の
が対応する、ということはなく、
解の公式が示す
個の解の式
の集合が
になる、ということになっている。
例えば、上の 2 次方程式で
を根号の
の方、
を根号の
の方と取ったが、そこに特に意味はなく、
逆でも全く問題はない。
その意味で代数的には根の
のそれらを区別することはできない。
累乗根による「解の公式」とは、
この が
の有理式、およびその累乗根、
およびそれらの有理式、およびそれらの累乗根、
といった操作を何段か繰り返して作られる式、を意味する。
3 次、4 次方程式にはそのような解の公式が知られているが、 5 次以上の方程式には「一般には」そのような解の公式はない、 というのがアーベルの定理 (アーベル=ルフィニの定理とも呼ばれる) である。
「一般には」というのは、具体的な数の
の組に対しては、
累乗根ですべての解が求まる方程式もあるが (例えば
など)、
どんな
に対しても解を与えるような公式を作ることは
できない、ということである。
そしてその立場では、
を「変数」と考えて、
その関数
が、
に関して恒等的に方程式 (1) を満たす
もの、という形で考える。
一方、解と係数の関係、すなわち
上では「
を変数として」と書いたが、
(5) を考えると、
むしろ「
を独立変数」として考え、
そこから (5) によって作られる
従属変数
に対して
その関数としての解の公式
を作り、
それが恒等的に方程式を満たす、
すなわち
を (5) を
代入して
の式にしたときに、
それがある
に恒等的に一致するような
を作る、
というのが解の公式であると言いかえることができる:
なお、
は、
通常の実数の世界では
となって、
大小関係で場合分けをすることで符号を決定するのであるが、
複素数の世界ではその区別ができないので、
平方根は 2 種類あり、そのどちらかを任意に選択することになる。
同様に、 の
乗根
も複素数ではただひとつには
決まらず、
個存在し、そのうちの 1 つを
と書くと、
「累乗根による解の公式」という場合には、
(7) のうちのひとつというよりは (7) の
累乗根すべてを用いて解を表すことになるので、
乗根を追加する際に自然に 1 の
乗根である
も
追加される (使ってよい) ことになり、よって解の公式では、
その式の係数には有理数以外にも、
追加する
乗根に付随する
も自然に追加されることになる。
なお、本稿では、
より、
元の方程式の
の代わりに
を用いて、
なお、本稿ではこの後 1 の 乗根 (
) は 3 乗根しかでてこないので、
慣習に従って
と書くことにする。
は良く知られているように以下を満たす。
竹野茂治@新潟工科大学